教育福島0159号(1991年(H03)11月)-029page
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今日より明日を目指して
白土勝一郎
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職員室から鮫川のせせらぎを聞き、目前に迫るかすみかかる紅葉直前の御斉所峠の山々を見つめながら、朝のさわやかな空気を吸い、清純な気分となる。
毎朝、午前七時四十分定刻になると、バス通学児童・生徒二十二名が、最年長の中学三年生を先頭に整然と一列に並んで、停留所から学校前横断歩道を、小中学校長による交通指導の下に登校するのが慣例になっている。中学生に続く、小学生の姿はとてもかわいい。
昨今のいわき石川線道路は、昼夜を問わず、交通量は激しいし、車窓からジュースの空缶を捨てる心ない通行者も多い。「いわきの町をきれいにする市民総ぐるみ運動日」に、生徒の奉仕作業で道路沿いから集める空缶も相当の量である。
この地、小規模へき地校石住中学校に、新任教頭として単身赴任して六カ月が過ぎようとしている。
本校は、いじめ、非行生徒皆無の素直な生徒達ばかりで、生徒指導の問題もまれな地域であり、人々の人情味も厚い。少人数、家族的雰囲気のもと、職員間も協力的で和気あいあいの中、若い先生方の自信にあふれた熱意ある勤務と、小中併設校の特色を生かした、小中連携による、小中合同企画委員会、職員会、春季遠足、運動会、学習発表会等、学校行事が実施されている。
しかし、地域・学校・生徒の実態を私なりに次第に理解できるようになってきた現時点で、教頭としての職責は広く深く、四月以来の職務遂行ぶりを省みるに失敗も多く、その重さが日増しに膨らむ自覚を禁じえない。
広い校舎に中学生七名、清掃時間は、学校長以下職員生徒一丸となって、熱心に取り組んでも間に合わないのが実情。学校長より、教頭としての学校環境整備の重要性を強く指示、指導される。文書処理の合間には、学校長とともに、校庭を巡視し除草・焼却作業等に努めるのが日常となる。学校長、一年先輩の小学校教頭先生の合理的で迅速な整備処理活動にも驚かされる。
年度当初は戸惑うことばかりであった、市費・県費会計予算執行事務もようやく理解できてきたが、その間、学校長以下職員の協力に支えられ今日に至った感が深く、感謝の念にたえない。
まもなく十一月、平成五年度完全移行を考慮しての今年度教育課程の反省と新年度教育課程編成準備時期に入る。
新任教頭として学ぶことが多いが、今日より明日を目指して、本校で、一教頭としての実務と生徒の自己教育力を高める授業を実践しながら、自己評価をしつつ勤務できることは幸福である。
(いわき市立石住中学校教頭)
社会教育との出会い
古宇田栄増
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茨城県の筑波山の近くに生まれた私の少年時代は、故郷の山や川の自然の中で、日が暮れるのも忘れておもいっきり遊ぶことと家の手伝いをすることが日課でした。
勉強好きな兄のおかげで大学に進学できましたが、学生時代は部活動、学生運動、大学祭実行委員長等をやったりして、勉強などそっちのけで青春時代を謳歌してきました。自分の生き方や進路など考えてもいなかった私は、栃木県のある農業高校での教育実習のとき、生徒に教えられることが多く教職の道を選びました。
教職が私の最も適した仕事であると信じて、二十年間農業教育に携わり、常に生徒のために、自分の持っている個性や能力を十分生かし、意欲と情熱を持って勤めてきたつもりです。
社会教育との出会いは、丁度、私の子供がスポーツ少年団活動をしていた頃、地域における青少年健全育成活動に参加して、社会教育の幅の広さ、奥の深さに感銘したことからです。今までの学校教育活動を別な角度から考え、実践して見ようと思っていた矢先、「社会教育主事になって見ないか」と声がかかり、東北大学での社会教育主事講習を受講したことが始まりでした。
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