教育福島0159号(1991年(H03)11月)-036page
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ぶつけるので、いじめや登校拒否になる。
・小学校でも教科担任制をとり、多くの先生の目で子どもをとらえ、その子の特性、個性を良く理解し、指導できるようにして欲しい。
・今は受験勉強から逃げられない状況(しくみ)になっているが、思いやりとか心のゆとりを大切にすることを指導して欲しい。
○渡辺豊(二本松南小学校亀谷地区育成会長)
1、学力社会の抱えるひずみ
今、人手不足が社会問題となっているが、これは教育にもかかわる大きな問題である。なぜなら、学校教育のますますの充実と社会の発達・進歩や教育産業の充実によって、子供が受ける教育は年々水準を高め、高学力社会を生みだしており、その結果、汗水を流して働く職種は敬遠され、ホワイトカラーに憧れる傾向を強めている。
2、親と教師の信念と子の責任
家庭と学校の役割が逆になっていないか。
家庭では、働く辛さや厳しさを日常の生活を通して繰り返し繰り返し教えることが必要である。そして、この辛さや厳しさに耐えて働くことの意義や使命感、責任感や、やり終えたときの喜びや感動を躾とともに教えていくことが求められる。
学校では、世の中に出て困らないとか役に立つとかの発想から教えるのではなく、学問そのものを厳しく教えて欲しい。そして、数の性質の不思議さとか自然界のもつ面白さとか宇宙のロマンとか社会のしくみと言ったことを、評価とか入試のためでなく、教師自身の感動を通して子ども達に伝えて欲しい。
3、二十一世紀を担う子ども達の価値観と夢
二十一世紀を担う子ども達にどんな夢と価値観を託すのかということは、これらの子ども達に接する親と教師がどんな夢と価値観を持つかによって決まる。そして、どんな道に進んでもそこには常に感動があることを教え、子供達自身にも選ぶ責任と自覚を促すような教育を推進していくことが大切である。
○川村斉(北部通信工業(株)代表取締役社長)
1、個性を伸ばす教育
・ここ十年来、高校生の人間的な移り変わりを特に感じる。日本の経済レベルの高さは教育レベルの高さとイコールであるというのは、間違いない事実であると思う。最近の学生の傾向を見ると、どんなコンピュータや機械でも三日も教えればすぐ使えるようになるほど頭のいい子が多い。しかし、子どもたちは社会に出てから大変戸惑っている。それは、学校と社会がだんだんかけ離れてきているからだと思う。
・会社や社会では、学校で習った数学や国語等の知識ばかりを使うところではなく、むしろ「発想」とか「勘」といったものが重視される。
2、団体生活を優先できる教育
日本の社会では、一旦入社すると定年になるまで同じ会社に勤めるのが普通である。しかし、今の若い人は、職場というものは一生そこにいるものとは決めていないようである。そのため長期にわたる社員教育というものが非常に難しくなってきている。また、一貫した考えがなく、「どうもこの会社はあわないから、別の会社にいきます」などと言って、簡単にあきらめてしまう傾向にある。教育の上で、このような傾向を手直しすることはできないものかと思う。
3、忍耐力と体力について
今の若い人は、一年くらいかけて、私でもびっくりするような機械を製品化し、社会に送り出すようなことをしてしまう。このような知識の深さはあるが、どうも体力、忍耐力ということで見てみると、弱さがみられる。
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第2回県北地区教育広聴会
○富良謝純(桜の聖母短期大学教授)
1、先生は教える、親は躾ける
二十年前日本に来て、教師が生徒の喫煙について調査しているのを見て大変驚いた。なぜなら、それは親の責任だからである。アメリカでは夏休みや放課後の生徒の生活については心配しない。髪を染める、スカートの丈の長さをどうするかなどは親の責任で対処している。
教師は教えることや研究することに専念してほしい。教師がそこまで心配すれば教師の喜びがなくなってしまう。教師の喜びがなければ生徒の喜びもなくなる。喜びがなければ教育はむずかしい。
2、同級生は競争相手ではなくて協力者です。
福大生の話であるが、彼は大学に入って大変喜んだ。なぜなら高校で
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