教育福島0159号(1991年(H03)11月)-037page

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は本当に友達はつくれないからという。たいへん残念なことである。そういった意味から大学の推薦制度はうれしいことである。競争の中での勉強では喜びのある勉強はできない。私にとって三十年前の高校時代の友達は今でもすばらしい友達である。

3、自主的教育

アメリカでは教師の善し悪しは、授業が終わってからの生徒の質問の数によって決まる。現在英米文学の講義を行っているが、講義が終わってからの質問はめったにない。あまり好寄心がないとも言える。生徒は、教師の教えるのは試験にでるものであり、それだけで十分と考えているのではないか。学習には好奇心が必要である。私は教師の意見と異なる生徒の意見を聞きたいと思っているが、めったに聞くことはできない。

○角田利雄(尚志学園専修学校副校長)

1、一律教育の見直し

・高等学校学習指導要領による必修単位外の選択履修については、できるだけ一律なカリキュラムを見直し実態に応じた学校独自のカリキュラムの編成が必要である。

・中学浪人者の中には、不本意入学者、不本意進学者がいることも理解することが大切である。外部テストのデータをもとに親も本人も妥協し高校を選ぶが、喜んで進学できる高校選びの指導が大切である。

・学級担任を複数制にし、生徒指導にあたっては学年制から学校組織全体で対応できるようにし、生徒が安心して自分の好きな先生に相談し、指導を受けられる体制にすることが必要である。

2、大学進学率を高める手だて

本県の大学進学率は二三・四%、全国第四十二位という低迷した現状にある。それを改善するために各地区における進学基幹校への人事については弾力的に配慮し、進学への対応があればよい。

・管理職の登用についても、かつて進学指導に力を発揮した者を管理職に登用することが望ましい。教科主任についても、輪番制で担当するのではなく、納得できるような人物が教科主任になるよう配慮する。

・初任者研修制度についても、本県は計画的に取り組んでいるが、進学校における五教科担当の教員についてはベテラン教員が対応するなど、特別な配慮が必要である。

・映像を取り入れた教育の推進を望みたい。私立高校ではサテライト講座等の導入をしている。

3、やる気を起こさせる環境づくり

・高校教育は家庭・学校・地域の三位一体の連携でありたい。また、施設については、まだまだ不自由しているところが多い。冷暖房の不備のなかでは学習効果は上がらない。

〇高井麗子(県立安達東高等学校教諭)

1、傷ついた子どもたちのこころ

・私達が描く高校生とは、学習にスポーツに自分の力を思いっきり発揮して、そのものに喜びを感じる姿ではないだろうか。しかし、現実にはこうした生活ができないでいる高校生がたくさんいる。

2、明日の夢を失う豊かな時代の子どもたち

・現在の世の中は、豊かな時代と言われている。多くの物、多くの情報があふれている中で、子どもたちは本当の自分自身を見つめることができるのだろうか。大人は経済的な豊かさを求めて、子どもたちが本当に必要とするものを与えているのだろうか。

3、教育相談をとおして明日を考えるとき

・教育相談をとおして子どもたちにしてあげられることは、1)生きることのすばらしさ。2)自分のもつ能力に対して、限りなく信ずること。であると考えている。

・私達が子どもたちとの触れ合いの中で、子どもたちを認めてあげると同時に子どもたちの心の中に、自分自身の可能性を信ずる心を作り上げることではないだろうか。私は教育相談をとおして、子どもたちに私達人間がどのように生きるべきか、どう生きることができるのかを考えてもらいたいと思う。

○尾形豊(前福島市婦人教育指導員)

1、女性カレッジに参加しての感想

・若い人たちの良き先輩になるために、女性カレッジのような生涯学習はきわめて大切なものと思っている。

・以前から何かをやってみたい、勉強をしてみたいという気持ちから公民館で講座・セミナー等を学習してきたが、県教育委員会主催の女性カレッジとの出会いは、アカデミックなものを学ぶことができたという点で大きな意義があった。

・お金で買えない心に響く学習を大切にしていきたい。今後も女性カレッジのみならず豊かな心のメッセージをどんどん送っていただきたい。

2、女性カレッジで要望すること

・女性カレッジなど女性だけの学習機会はたくさんあるが、男女を問わず一緒に学習できる機会を設けてほしい。

3、これからもさらに学び続けるために

・年老いても自分の生き方をしっかりと見極めていきたいので、人との触れ合い、自然との触れ合いを大切

 

 

 


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