教育福島0159号(1991年(H03)11月)-040page

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研究実践1

「高等学校における国際交流」

文部省研究指定校(平成元・2年度)

福島県立福島南高等学校

 

本校は、教科指導を通して国際理解教育を行うだけでなく、特別活動の中に人的交流の場を設け、国際交流の一層の推進に努めてきた。そこでここでは、特別活動面での生徒の意識高揚にスポットをあて、研究指定校の研究実践紹介としたい。

 

合唱披露

合唱披露

 

一、国際交流会

 

本校が実施している特別活動には「国際交流会」「国際理解講座」「英語集中講座」「留学体験報告会」「英語レシテーション・コンテスト」などがあるが、なかでも、毎年、秋の一日を、“International Friendship Day”と銘打って行う「国際交流会」は、外国の人々と気軽に交流を図れる場として、生徒たちに人気がある。

今年は十月二十六日がその日にあたり、「ふくしま国際音楽フェスティバル」に参加するため福島を訪れたアメリカンスクール(東京)、セントメリーズ・インターナショナルスクール(東京)、セントジョセフインターナショナルスクール(横浜)の生徒六十七名と教員十三名を招き国際交流会を盛大に行った。

歓迎会では各校が見事な合唱を披露、本校もブラスバンドの答礼演奏を行うなど、体育館に集まった全校生は、音楽を通した国際交流の素晴らしさを体験した。

また、語学教育を重視している本校は、言葉によるコミュニケーションも大切にしている。その実践の場が、引き続き行われた「ジュニア・サミット」である。本校生は、四つのグループに分かれた外国人生徒と、環境問題や国際問題について、英語による討論に参加した。

アメリカンスクール生とのサミットでは、本校生から「台風によって青森のリンゴが大きな被害を受けた。十分な対策が望まれるところだ。」、あるいは「日本は経済大国になったが、個人としては、福祉の遅れや少ない余暇など、それほど豊かではない。今後は精神的な豊かさに注目すべきだ。」などの意見が英語で発表され、日本の生活の現状を報告した。

これに対してアメリカンスクールの生徒は「公害やオゾン層破壊なども世界全体の問題だ。こういった小さな交流を重ねることによって現状を変えられるのではないか。」と述べ、環境問題に対する関心の高さを示した。

一時間足らずの短い意見交換の場であったが、雰囲気も盛り上がり、熱の入った有意義な企画であった。

なお、アメリカンスクールの生徒たちは、二人一組で本校生の家庭にホームステイし、さらに深い交流を楽しんだ。ホームステイ引き受けは初めてという家庭が大半だったにもかかわらず、どの家庭からも喜んでもらえたことは、本校としても大きな喜びであった。「今回の交流は、異文化に接する良い機会になった。」というアメリカンスクールの教師の言葉は今も耳を離れない。

 

活発な意見交換となったジュニア・サミット

活発な意見交換となったジュニア・サミット

 

外国の人々の生活や文化について理解を深めさせ、国際性豊かな人材を育てようとして行っている国際交流会も、今年で第五回を数えている。これまでに招待した方々の出身国は、アメリカ・イギリス・アイルランド・オーストラリア・ブラジル・ガーナ・マレーシア・スリランカ・中華人民共和国と、実に九ヶ国にのぼる。こういった交流を体験することによって、生徒は外国人に対する

 

 

 


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