教育福島0159号(1991年(H03)11月)-048page
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−教育ひと口メモ−
障害児とパソコン
養護教育センター
一、障害児がパソコンを活用するために
障害児はそれぞれの障害ゆえにパソコンが活用できないなどと思われがちです。しかし、最近では一般の学校と同じようにパソコンの活用が盛んになりつつあります。
その理由としては、時代のニーズによることや、障害児向けのソフトウェアや、下図に示したような周辺機器が開発されてパソコンが使いやすくなっていることが挙げられます。
このような開発によって障害児も障害や能力に応じて、パソコンを学習や生活の中で活用できるようになってきています。
二、障害児のパソコン活用
パソコンをワープロとして活用したり、教科学習の中で活用している点では一般の子供たちと基本的には同じです。病弱養護学校では一般の学校と全く同じ使い方をしています。精神薄弱養護学校でも学習内容での違いはありますが、文字の学習や形の弁別など教科の中で活用している点では同じです。
しかし、以下に示す例のように障害によっては特別な活用の仕方や入力・出力方法に違いがあります。
1 盲学校で
目の不自由な子供たちがパソコンに入力するには、一般のキーボードの特定のキーを使って点字を打つ要領で入力する方法が普及していますが、最近では、点字で入力できる専用のキーボードも開発されています。
出力方法では点字プリンターや点字ディスプレイ(写真)等が使われています。また、打ち込んだ文字を確認するためには、文字を音声化できる音声合成装置があります。
2 聾学校で
聴覚障害児のために、パソコンを使ったさまざまな機器が開発されています。ことばの学習に活用されているスピーチトレーナー(音の高さ、強さ、長さや構音の状態を視覚的な手がかりに変換する発音練習用の機器)などが代表的なものです。
3 肢体不自由養護学校で
肢体不自由の状態に応じて入力方法が工夫されています。例えば、各種センサー(筋力・光・音センサー等)を活用して入力する方法や、スティックを動かして入力できる方法(ジョイスティック)等があります。また、画面に触れるだけで入力できる方法(タッチスクリーン)もあります。
三、今後のパソコンの活用に向けて
養護教育センターでは今年度から、「養護教育におけるコンピュータ活用に関する研究」を始めました。今後、コンピュータを整備し研究の成果等を随時提供する予定です。
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▲盲学校で活用されている点字キーボードとディスプレイ
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