教育福島0160号(1992年(H04)01月)-020page
人一人の計画と考えで活動を進めていくとどのような授業の姿となり、どのような効果が見られるかを確かめ、あわせて、新指導要領に基づいた単元構成と活動内容の工夫と試行を行う。
(3) 第三回公開授業実践 平成三年
1) 単元名「もののとけ方」
2) 授業テーマ
濃度の異なる食塩水が二つの層に分かれる事象から課題を作り、既習のものの溶け方のきまりを基にして食塩水の濃さの違いを調べる方法を見つけ出させる授業。
資料2 複線化を図った学習指導計画
3) 検証の重点
本単元では特に、単元を構成する大きな柱を、児童の連続した問題解決活動の中にどのように位置付け、無理なく活動を促すかということを主眼とし、問いが深まり続ける単元構成とともに自由試行活動を通して一人一人に確かに課題を把握させ、解決方法を見つけさせていく導入時の指導のあり方を工夫した。
(二) 検証の観点
(1) 自由試行活動を通した学習課題作りの有効性を、学習ノートの記録や活動の記録より検討する。
(2) 学習過程の複線化の有効性を、活動の記録、ポストテストのS-P表、自己評価の累積の分析(資料三)、自己教育力の変容、学習に対する意識の分析から検討する。
(3) 観察・実験の個別化の手立ての有効性を、児童の活動の記録・ポストテストから検討する。
(三) 授業の考察
(1) 公開検証授業例一からの考察
○ 学習過程の複線化について
ここでは、児童によってとらえる問題と方法が異なり、多様な学習活動が展開されることを前提にしていることから、学習過程の複線化を図った指導計画を立案し、児童の多様な考えに対応できる柔軟性のある単元の展開を目指した。
児童は、それぞれの実験計画に従って実験に取り組み、素材を自由に見つけ、多様な方法を考え出して根、茎、葉に関する課題の解決に取り組んだ。また、自分達のプランで進められる学習活動であるため、学習活動の中に意欲が高まっていることがはっきりと伝わってきた。ノートの記録や発表内容もしだいに充実し、問題解決の手順と方法を身に付けていく様子がとらえられた。
(2) 公開検証授業例二からの考察
○ 観察・実験の個別化について
どの児童にも直接体験をさせて、その技能の定着を図りたいと考え、可能な限り個人単位で実験を行わせた。このことによって、グループ実験などではあまり手を出そうとしなかったり、また補助的な役割分担で参加しがちだった児童もみんな自分で観察・実験を行う基となった。このように、観察・実験の個別化のプランを実際の授業場面で具体化できたことは、ひとつの成果である。
個別化については、学習過程の複線化と相互に関わり合うものである。個別に活動を行うための複線化の計画なので、その計画に基づいた十分な準備があればこそ個に応じた展開が可能となる。したがってこれらの相互関係に十分留意した展開を目指した結果、主体的に活動に取り組む姿が見られたことは、その有効性がある程度確かめられたと言える。
(3) 公開検証授業例三からの考察
○ 自由試行を通した課題作りについて
単元の「質量の保存」「溶解度」「蒸発乾回と析出」という二つの柱を児