教育福島0160号(1992年(H04)01月)-030page
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くし、問題行動がなく、赤点を取らなければ卒業できると考えている。しかし、何か寂しいと言うか味気ない。
高校を卒業し、社会へ、専門学校、大学へと進む。そして今まで以上に数多くの人たちと接し、高校時代の思い出はと聞かれ「記憶にございません。」とか、ただ単に、「よろしくお願いします。」などとだけ答えるのだろうか。高校時代の自分の存在がなかったという人間が、社会ではたして自分をアピールできるのだろうか。得てしてそのような者は、人との付き合いもできず孤独になり、その結果はおのずと見えてくる。
私自身のことを振り返って見ると、三年間は実に印象深く脳裏に蘇る。意外に新鮮で、自由な生き生きとした躍動的な思い出が多かったことに気づく。
当時のさまざまな出逢いを通じて得た友人は、今も強い友情の絆で結ばれている。この年代は、おそらく長い人生のうちで最も友人を求め、また、生涯を通じての友人を見つけるべき年頃であると思う。
現代は情報ばかりでなく、職業、仕事、人間の生き方の面においても極めて多様であり複雑である。このような多様化した社会で生活するには、自己中心的、閉鎖的な人では、孤立化することが多い。個人プレーではなく、集団プレーの時代である。他人と自分の能力をうまく組み合わせることのできる人こそ社会に要求されている。この要求に対応するためにも、生徒会活動、部活動、HR活動など教科以外のことに積極的に参加することを特に勧めたい。教科だけでは得られない知識や技術が習得でき、さらには友情が生まれ情緒豊かな人間性が高められると信じているからである。
友人の喜びや悲しみに反応し、その中で友人との連帯を築きあげ、協力していくことを学び、さらに生徒と教師とのかかわり合いの中で信頼が深められることは、なんとすばらしいことなんだろうか。
(県立好間高等学校教諭)
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文化祭(好高祭)仮装行列後のシーン
県立田村高校に体育科新設
田村高校に平成四年度から「体育科」が新設されます。本県では初めての学科です。募集定員は四十名(男女共学・一学級)、学区は県内全域となります。
同校では十月二十三日の県立高校募集定員の発表を受けて直ちに募集活動を開始し、十一月末までに県下全中学校に「体育科入学案内」等を配付しました。同案内書では体育科を次のように紹介しています。
〈体育科〉は
体育・スポーツに関する適性があり、強い興味・関心と、優れた能力をもつ生徒を対象に設置された学科です。
体育に関する専門的な知識や技能を身に付けさせ、将来の体育・スポーツ指導者の基礎づくりを行うほか、地域社会・職場などで活躍できる人材の育成とともに、全国大会や国体で活躍できる選手の養成を目的としています。
〈学習する内容〉は
一般教科と専門教科を学習します。第一学年の一週間の学習時間を例にとりますと(二、三学年もほぼ同じです。)、一般教科は男子二十二時間、女子二十四時間、専門教科(体育)は男子十時間、女子八時間です。
〈将来の進路〉は
○体育指導者を目指した体育系大学・短大への進学
〇一般大学・短大・各種専門学校等への進学
○優れたスポーツ技能を生かしてのプロ入り、実業団チームへの入社
○体育・スポーツ関連企業や一般企業への就職
〇社会体育関係の公務員としての就職、などが考えられます。
田村高校体育科は、当面比較的恵まれた既存の施設を利用してのスタートになりますが、県では新たにトレーニングルームなどの整備計画も進めています。寄宿舎についても建設の方向で計画中です。また、寄宿舎が完成するまでの間これに代わる施設の確保に向けて現在努力中です。
田村高校の体育科には、本県の体育のリーダーとしての活躍を期待したいものです。
同校体育科に関する問合せは、直接県立田村高等学校(○二四七-六二-二一八五)まで
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