教育福島0160号(1992年(H04)01月)-032page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

★考察

予想以上に子供たちは楽しんで取り組み、「もっとやりたい」という子供が多かった。子供たちが一番おもしろいと言ったのが八月も一月も○から発想する課題であった。逆に難しいと感じたのは八月が色からの発想、一月が不定形からの発想であった。合計ポイント

が八月に比べて十以上になった子供に共通していることは、自分なりの造形思考法を身につけ、絵画的認識力が飛躍的に高まってきたことである。これは、右脳の訓練を続けてきたことにより図形的認識力が少しずつ高まってきたことが大きな要因であろう。

 

2) 右脳を訓練する描画練習課題

 

2) 右脳を訓練する描画練習課題

 

2) 右脳を訓練する描画練習課題

花びんの顔

○ねらい

支配的な左脳による思考から右脳による思考に意識を強力に転換させる。(イメージカ)(二十分)

○注意事項

横顔を描くことは低学年の子供たちにとって難しいので、黒板に一度横顔を描き、鼻の高さを意識させ、額、上唇、下唇、あご、首の名前を声を出して確認させる。ただし、まだ十分認識できない子には無理をさせない。

○教師の働きかけ

・紙の左側に書ん中を向いた人の横顔を描きましょう。

(左利きの場合は、紙の右側に真ん中を向いた人の横顔を描く)

・次に花びんの口と底ができるように、横顔の上の端と下の端から横線を引きます。(例示する)

・鉛筆の先を横顔の額に置きましょう。そして、額、鼻、上唇、下唇、あご、首と名前を呼びながら鉛筆でなぞりましょう。(左脳型思考を二回くり返す)

・次に、上から始めて左右が逆の横顔を描きましょう。(例示)。これで花びんが完成です。(右脳型思考)

★考察

初めは要領を理解させることを中心のねらいとしたので、右利き、左利きの子供に対する配慮が不十分であった。横顔の部分の名前を呼ぶことは、学年の発達段階に応じて行うべきであった。短時間にできる課題なので、回数を多くして右脳を使う感覚をより多く体験させたい。

・さかさまの絵

○ねらい

日頃よく知っているものも逆さにすると、同じものに見えないことがある。複雑な絵を逆さにすると、左脳型思考が混乱し、判読をあきらめるので、右脳型思考へ強力に転換することができる。(二十分)

○注意事項

できるだけ静かな落ち着いた雰囲気を作る。大切なことは、描き上げるまでの絵を正しい位置に戻さないことである。戻すと、右脳による思考の体験を学んでいるのに、左脳による思考にもどってしまうのである。使用する絵の例…教科書の素描作品ピカソの素描、漫画、絵本の一こま

○教師の働きかけ

・これからさかさまの絵を見て、真似をして描いてもらいます。その時どこから描き始めてもいいです

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。