教育福島0160号(1992年(H04)01月)-044page

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教育センターから

個を生かす学年・学級経営に関する研究

−第一年次・実践研究−

学校経営部

 

一、研究の趣旨

臨教審答申によって明確に示された二十一世紀へ向けての教育の重点課題の一つに「個性重視」があげられる。

本研究は、このような「個の重視」の流れを踏まえ、児童生徒一人一人が生きる学年・学級経営の改善策を追究するものである。

 

二、研究計画

本研究は、平成二年度から平成四年度までの三ヶ年計画で実施している。

第一年次は「個を生かす学年・学級経営」に対する実態調査、第二・第三年次は現場で生かせる具体策を完成させる計画である。

 

三、第一年次(平成二年度)研究内容

(1) 調査対象

県内の小・中・高校の教師の「個の重視」に対する意識及び「個の重視」にかかわる条件整備等の実態を把握し、学年・学級経営の改善・充実のための資料を得ることを目的としてアンケート調査を実施した。

対象は、県内の小学校・中学校・高等学校の二十パーセントを無作為に抽出し、各校の二十代から五十代の教諭である。

(2) 調査の視点

「個を生かす学年・学級経営」がなされるためには「個の存在を認め大切にする」「個の特性を生かす」「認知的側面と情意的側面の調和を図る」「個性豊かな生き方のための基礎・基本の習得を重視する」の四点をおさえた指導観が不可欠であると考え、この四視点から調査を実施した。

(3) 調査の結果と考察

八百二十名の教師から回答を得、校種別・年代別・経験年数別傾向等について分析と考察を加え、改善の方向を見出そうと試みた。

 

視点一「個の存在を認め大切にする」について

多くの教師が「個の存在を大切にする」ことは重要なことと認識しているが、積極的な取り組みがなされているとは言い難い。

特に、小学校に比べて中学校、高等学校が「個を生かす場の設定」や「生徒といっしょに過ごす時間」を十分に取れずにいる。

また、二十代〜三十代にかけての若い教師は、「個を生かすことの意義」や「個が生かされている状態」について十分に理解していない。

これらのことから、各学校において、「個の重視」についての話し合いの場が十分持たれていないため、共通理解が図られていないと推察される。

そこで、(視点一)に関する改善の方向として次の二つのことが考えられる。

1) 教育課程一般編等を、学年・学級経営の立場から吟味し、個の願いや目標を学年・学級の目標設定に反映させる。

 

 

 


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