教育福島0162号(1992年(H04)04月)-008page
特集1 道徳教育の推進
●自校の課題解決を目指す道徳教育の推進
●(研究実践)平成3年度研究指定校における実践
●(特別企画)地域ぐるみの道徳教育紹介
−義務教育課−
自校の課題解決を目指す道徳教育の推進
一、はじめに
今回の学習指導要領に基づき道徳教育が全面実施されてから三年目をむかえ、各学校においては、自校の道徳教育上の課題解決のために様々な特色ある実践がなされてきている。しかし、一方においては、次のような課題も指摘されている。
○各学校の独自性のある全体計画が比較的少ない。各種計画の活用が十分でない。
○道徳の時間の指導が固定化し児童・生徒が生き生きと活動していない。
○児童・生徒の内面に根ざした道徳性の育成を図る体験活動に対する配慮が十分でない。
各学校においては、このような課題を明確にして、その改善を図っていくことが大切になる。
二、機能する計画
各学校ごとの独自性が明確に出ている計画とは、そこに盛り込まている事項の具体的中身が各学校で異なるものである。計画を機能させるためには、その事項の具体化や改善にかかわる研修体制を確立し、共通理解を図ることが大切になる。学年始、学期末、学年末等において、次の観点に対する留意事項と自校の具体的実践事項を明確にして推進することが必要である。
(1) 豊かな体験学習
○豊かな体験とは、道徳の目標や内容に指示されている精神を内面的に自覚したり、より主体的な行為として表すことのできる体験である。具体的には、現在行われている様々な体験学習を、道徳の内容項目との関連で、どのような側面が培われるのかを見直し、道徳の内容項目全体にわたる道徳性の育成が図れるようにする。
(2) 各教科・特別活動における道徳性の育成
○各教育活動の固有の学習を通して、どのような道徳性が培われるかを把握した上で、それぞれの学習を充実させていくことが大切である。道徳の時間との有機的な関連を図っていくようにする。
学校における道徳教育の指導計画(○小学校の例)