教育福島0162号(1992年(H04)04月)-013page
豊かな心を育て、道徳的実戦力を培う道徳教育
−家庭・地域との連携を通して−
福島市立福島第二中学校
1 主題設定の理由
生徒の道徳性の実態をみると、個人道徳よりも社会道徳が劣り、個人道徳の判断は高いがその心情は低く、自己中心的で、集団としての高まりに欠ける傾向がある。
そこで、望ましい人間関係を重視した道徳教育を推進していくことが大明であると考え、学校と家庭・地域社会の連携を通して、生徒に豊かな心を育て、確かな道徳的実践力を身につけさせたいと考え、この主題を設定した。
2 研究実践の構想
学校内外における一貫した道徳教育を推進していくために、「研究実践の構想」を下図のように考え、学校と地域社会の人々との心の接点を求める場を親権にした。
3 研究実践の概要
(1) 道徳教育全体計画・道徳年間指導計画・資料集の作成
(2) 道徳の時間の指導法の工夫
特に、学校・家庭連携の関わりから保護者の考えや意見、資料の感想等を活用し、態度化を図るための工夫をした。
研究実践の構想図
(3) 道徳の時間で培われた道徳的実践力の変容に関する研究道徳の時間と実験活動との関連を明確にし、道徳の時間で培われた道徳的価値が実践の場でどのように変容していくのかを追究し、生徒の変容を捉えた。この研究の結果、保護者への啓蒙活動の大切さ、体験することの尊さを再確認できた。
(4) あたりまえのことがあたりまえにできる生徒の育成
社会道徳の心情がかなり劣る生徒が多く見られたことから、次のような実践の場を設定した。
・あいさつ運動(毎日)
・クリーン活動(毎週)
・青少年赤十字活動(お見舞いカードの作成、愛校作業、老人ホーム慰問、募金活動等)
(5) 学校と家庭・地域社会との連携(学校・家庭連携推進会議)
学校と家庭・地域社会の方々の理解を得るため、次のような推進活動を実施した。
1) 親子ディスカッション
保護者の授業参観後、学年集会において親と子がともに語り合い、道徳の時間と道徳の実践の場としての家庭との接点を生み出した。
2)学校開放
一日の学校教育の実際を地域の方々に見てもらった。
3) 「道徳教育を語る」勉強会「福島二中の教育を語る」町別懇談会
「家庭の問題」について、講師の先生を迎え、保護者と地域のリーダーの方々とともに語り合い、理解を深めた。
4) 広報活動
・「蛍火」の発行
・テレフォンサービス
4 今後の課題
これまでに増われてきた家庭・地域社会の方々の理解と協力を大切に、道徳教育の実践に努めたい。
親子ディスカッション