教育福島0162号(1992年(H04)04月)-015page

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家庭との連携を密にして、豊かな心を育てる道徳教育

−望ましい生活のあり方を自ら考え実践できる生徒の育成−

いわき市立湯本第三中学校

 

一、主題・副主題設定の理由

 

本校の教育目標として「向上心にあふれ、人間性豊かな生徒」が掲げられているが、生徒の実態を見ると「意欲・気力に乏しい」「行動が受身」「基本的な生活習慣が不十分」などの欠点が指摘されたため、教育課程審議会の基準改善のねらいをふまえ、二十一世紀に向けて、社会の変化に主体的に対応できる人間の育成をめざし、本主題・副主題を設定した。

 

二、研究組織

 

三、研究実践の概要

 

三、研究実践の概要

 

1 道徳教育計画の改善・充実

全体計画・年間指導計画の改善を通して、各教育活動がどのような役割を担うのかを明らかにするとともに、「重点項目一覧表」・「内容別主題一覧表」を学年別に作成し、計画的・発展的に指導ができるようにした。また、「学級における指導計画」を作成することによって学級担任としての道徳教育に対する基本姿勢が明確に表されるようになった。

2 道徳的実践力を高める指導

(一) 指導過程の工夫

道徳の時間は、より高い価値にふれて、自己のあり方を振り返ったり見つめる場であるとの認識に立ち、毎時間の指導にあっては、主として展開の後段に「自己を見つめる場」を設定し、価値の主体的自覚を促すようにした。

(二) 資料分析と発問の工夫

資料のすじに沿って、ねらいとする価値を明確にし、授業の構成を工夫するようにした。さらに、発問の吟味をし、ねらいとする価値に迫る中心発問を指導過程の中で一つにしぼりこむようにした。

(三) 授業における学家連携

保護者へのアンケート結果を授業の各段階に即して取り入れることによって、生徒の意欲喚起や自己内省に役立てた。特に、保護者のメッセージや体験談をテープやビデオで流すことは、実践意欲の高揚に効果的であった。

3 道徳的実践の指導

(一) 基本的な生活習慣の確立

全職員の共通理解・共通実践を通して、一日の生活プログラムが浸透するよう、随時・随所での指導を行うとともに、生徒会組織を活用しての「あいさつ運動」の展開や、各専門委員会の主体的活動によって、学校生活における基本的な生活習慣の確立に効果を上げた。

(二) 体験的活動の場の拡充

学校行事をはじめ、学校生活の中で、できるだけ生徒の発案や意見を尊重し、取り入れてやることによって、「自ら考え、実践できる」生徒の育成を図った。生徒の手づくり体育祭やクリーン作戦、空缶利用の道徳シンボルマーク・タワー・メッセージづくりや標語の学区内表示など自主的・実践的態度が身についた。

4 学校・家庭の連携

(一) 広報活動

学校・学年二本立ての「道徳だより」の発行、学校の指針を示す「道徳のしおり」の発行を通して、家庭における道徳教育のよりどころとしてきた。

(二) 親子共同行事の実施

 

<空缶利用のメッセージづくり>

 

<空缶利用のメッセージづくり>

 

学校行事に保護者の参加の機会を設けて、共に作業や授業公開、菊づくり、教育講演会を通して親子の対話を促進することができた。

 

四、今後の課題

 

1 時間の指導において、話し合い活動をさらに充実させること。

2 自らの課題をもって生活できるよう豊かな体験活動の場の拡充

3 長期的・多面的に個人のよさや個性の評価のあり方の工夫

4 開かれた学校づくりと連携強化

 

 

 


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