教育福島0162号(1992年(H04)04月)-043page

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教育ひと口メモ

CAI・CMI

義務教育課

 

CAI

 

CAIは、Computer Assisted Instraction又は、Computer Aided Instractionの略称で「シーエーアイ」又は「カイ」と読み、「コンピュータ支援教授」とか、「コンピュータ支援授業」と訳され、コンピュータのもつさまざまな機能を利用しながら、学習者が自分の能力に応じ、自分のペースで、納得しながら学習を進めていく方式です。

CAIによる学習の具体例をあげてみます。

例えば、算数や数学の計算練習を行うとき、学習者が一人一台のコンピュータを使います。教師が、個々の能力・理解度に応じて問題を多数用意しておくとコース別学習や個々のペースで学習を進めることができます。理科や社会などで資料を参考にして学習する時、歴史や地理、植物名などをデータベース化しておき、そのデータを児童生徒一人一人が自由に検索しながらまとめることができます。

CAIは、このような「調べ学習」に効果的に活用できます。また、どのような教科でも活用でき、学習の進度・理解の遅い児童生徒に、一斉授業では困難な個々に応じた学習を容易にし、個々の独創性・創造性などの個性を尊重しながら学習を進めることができます。

CAIによる学習過程は、図1のように教師の指示によって学習が始められ、学習者がコンピュータのキーボード等を操作しながら学習を進めます。

 

図1 CAIによる学習過程

図1 CAIによる学習過程

 

CMI

 

CMIとは、Computer Managed Instractionの略語で、「シーエムアイ」と読み、「コンピュータ利用教師支援システム」と訳されます。コンピュータが教授や学習指導のために有効な学習者の情報を、直接に学習者に指示せず教師に提供するシステムのことです。

図2はCMIの一形態です。ここでは、教師はコンピュータに蓄積された授業実践データをもとに改善を加えながら授業を展開すると共に、児童生徒からの反応をデータとして収集し、公析・評価・蓄積・活用を行うことによって、さらに授業の質や効果を高めることをねらいとします。

 

図2 CMIの一形態

図2 CMIの一形態

 

授業へのCMIとしての利用には、

1)授業の準備・計画への利用、2)学習資料作成への利用、3)授業の結果と分析および授業改善への利用等が考えられます。

CMIの役割をまとめると、次のような教師支援システムであるといえます。

1)コンピュータの助けにより、学習者個人個人の進歩状況を、継続的にモニターする。

2)学習者が学習すべきことを習得しているかどうかをチェックする。

3)もし学習の過程において問題点が発見されたときは、どのようにしてそれを解決するかを学習者個人別に診断する。

4)教師にその結果を知らせ、指導のために役立たせる。

5)個人個人の学習を望ましい方向に導く。

参考 コンピュータ等教育的利用の手引

福島県教育委員会

 

 

 


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