教育福島0163号(1992年(H04)06月)-038page

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養護教育センター通信

 

共同研究

養護教育におけるコンピュータ活用に関する研究(第1年次)

−コンピュータ活用の視点と方法−

 

一、はじめに

教育に携わるすべての教職員にとって、情報化社会という今日の時代的背景から、情報機器に無関心でいられなくなっています。養護教育の分野においても、児童生徒の障害の多様化、重度・重複化に対応するコンピュータ活用の研究が進み、全国的には、これらコンピュータを用いて学習効果を挙げた研究報告がなされています。これは、コンピュータの持つ特性が、視覚障害や言語障害、聴覚障害、上肢障害等に伴う様々な学習上の制約を補償、代償する上で大きな力となり得る可能性を示しているものです。

しかし、現状では、養護教育においてコンピュータを有効に活用するため、解決すべき様々な課題があります。そこで、当センターでは、「養護教育におけるコンピュータ活用に関する研究」という研究主題で平成三年度より三年間の共同研究をスタートしました。

 

二、研究の構想及び研究計画

本研究は、三つの視点(表1)から研究計画(表2)を作成し、研究を進めることにしました。

 

三、初年度の研究内容

〜コンピュータ活用の視点と方法〜

初年度は、コンピュータ活用に関する文献研究及び実態調査と、所員のコンピュータ実技研修を行いましたが、ここでは、紙面の都合上、「県内の養護教育におけるコンピュータ活用の実態調査」の概要について報告します。

 

四、初年度の研究概要

今回のアンケート調査結果から、本県においては、学校として養護教育独自のコンピュータ活用については、ほとんどなされていない状態であり、個人的にみても、コンピュー

 

(1) 県内の盲・聾・養護学校、及び特殊学級設置小・中学校におけるコンピュータの設置状況や活用の実態調査を行い、現状と今後の課題を探る。

(2) 養護教育の分野におけるコンピュータ活用の基本的なねらいと利点を明確にする。

(3) 各障害に即した養護教育におけるコンピュータ活用の実際について研究を進める。

 

表1 研究の構想(3つの視点)

 

(1) 県内の盲・聾・養護学校、及び特殊学級設置小・中学校におけるコンピュータの設置状況や活用の実態調査を行い、現状と今後の課題を探る。

(2) 養護教育の分野におけるコンピュータ活用の基本的なねらいと利点を明確にする。

(3) 各障害に即した養護教育におけるコンピュータ活用の実際について研究を進める。

 

表2 研究計画(3ヵ年)

 

第1年次サブテーマコンピュータ活用の視点と方法
・コンピュータ活用に関する文献研究及び情報収集
・県内の養護教育におけるコンピュータ活用の実態調査
・所員のコンピュータ実技研修
・第1年次研究まとめと次年度研究課題の検討
第2年次サブテーマコンピュータ活用の実際(その1)
・肢体不自由児教育におけるコンピュータ活用の試行と実際
・所員のコンピュータ実技研修
・研修講座への試行的採用
・第2年次研究のまとめと次年度研究課題の検討
第3年次サブテーマコンピュータ活用の実際(その2)
・養護教育におけるコンピュータのCAIとしての試み
・生涯教育,交流教育に生かすコンピュータ活用
・研修講座に「コンピュータ活用の実践」の採用
・研究のまとめ

 

 

 


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