教育福島0164号(1992年(H04)07月)-012page

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1 自校の教育課題の明確化

 

それぞれの学校では、自校の教育課題を明確にするために次の点について評価し反省を加え、改善点として明らかにしておく必要がある。

(1) 学校経営の評価・反省

○教育目標・重点目標の達成状況

○教育課程の実施状況(指導計画・目標・内容・時数・時期等)

○教職員の共通理解と共通実践の状況

○学校と家庭及び地域との連携・協力の状況

(2) 学習指導の評価・反省

○基礎・基本の明確化と定着状況

○学習意欲の喚起を目指した授業の実施状況

○個性を生かした指導の実践状況

○主体的な学習への取り組みを目指した実践状況

(3) 生徒指導の機能を生かした教育活動についての評価・反省

○自己決定の場を設定し、一人一人に自己存在感を与え共感的な人間関係の育成を目指した教育活動の実践状況

なお、各学校においては、学習指導要領の改訂で重視された基礎・基本の徹底、自己教育力の育成、個性の伸長、徳育の充実、国際理解、情報化への対応とともに県教育委員会の重点施策をも十分考慮して、自校の教育課題を明らかにしておく必要がある。

 

2 特色ある教育課程の編成

 

特色ある教育課程とは、「自校の教育課題解決を目指す創造的な学校経営の教育計画」を言う。特色は、自校の教育課題解決の営みの中に表出するものであり、他にない特別の教育計画や活動だけを意味するものではない。特色ある教育課程を編成する際の留意点は、次の通りである。

(1) 自校の教育課題について全職員が共通理解し、解決の方針、見通し、手だて等を明確にすること

(2) 自校の指導計画を作成すること

ア 児童生徒の実態を的確にとらえる。

イ 児童生徒の実態に合った指導計画を作成する。

ウ 校長のリーダーシップのもとに自校化推進のための体制をつくる。

(3) 地域素材の教材化に努め、地域の特性を生かすよう配慮すること

ア 地域の施設、文化財、動植物、地形等について調査分析する。

イ 地域に住む人々の考え等を学校の教育活動の中に取り入れる努力をする。

 

3 教育課程の実施と評価・改善

 

(1) 教育課程の実施上の留意点

ア 指導計画に基づき効果的に実施すること

○ねらいを明確にした授業の展開

○週案や時案を作成しての実践と反省の累積による授業の改善

イ 授業時数の確保に努めること

ウ 進度や未習内容のチェックと実施

エ 個々の児童生徒の目標・内容の実現の状況の把握

(3) 教育課程の評価と改善

教育課程の評価は、学校規模等によって具体的方法は異なるが、基本的にはねらい・時期・方法を明確にして評価し、各学校の創意・工夫を加えて改善していく必要がある。

〈評価に当たっての留意点〉

ア 全教職員が協力して、組織的に進めること

イ 計画的に推進すること

○手順や日程の明示

○年間計画への位置付け

○共通理解の場の設定

ウ より具体的に評価できるように評価内容を設定すること

〈教育課程改善のための手だて〉

ア 評価結果を分析し、考察をしておくこと

イ 改善の視点を分析し、重点化すること

ウ 今年度の自校の教育課題との関係も踏まえ次年度の教育課程編成に十分役立つようにすること

○早期に改善すべき事項を明らかにするなど順序性の検討をする

○具体的に何をどうするのか等を明らかにし改善の方策を立てる

〈改善のための留意点〉

ア 教育課程の改善計画を学校経営の中に明確に位置づけること

イ 教育課程改善のための組織を工夫し機能させること

ウ 教育課程の評価に基づいて改善の方針を立てること

エ 教育課程の改善事項を全職員で検討し、改善のための具体案を作成すること

 

三 基礎・基本の重視と個性を生かした授業の改善

 

これからの学習指導では、児童生徒一人一人が自分の力によって基礎的・基本的内容を身につけ、個性を発揮していくことができるようにすることが求められている。

また、個性を生かすためには、児童生徒には、考え方をはじめいろいろな違いのあることを前提とし、個人のよさを感じとり、それを認める立場に立って学習活動を進めることが重要である。

 

1 基礎・基本のとらえ方

 

基礎的・基本的内容とは、児童生

 

 

 


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