教育福島0164号(1992年(H04)07月)-049page

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博物館ノート

村西遺跡の発掘調査

博物館の考古分野では調査研究の一環として、昨年十一月、会津若松市北町に所在する村西遺跡の発掘調査を行いました。この遺跡では以前から、弥生時代から古墳時代の土器などが採集されていましたが、発掘調査されるのは今回が初めてです。

調査は、広い範囲におよぶ遺跡のなかで、百平方メートルという狭い範囲で行われましたが、そのなかから、弥生時代の土塀(穴)や古墳時代の竪穴住居跡が発見されました。住居跡は一辺が四メートル弱四方の小さなもので、南の壁際にカマドを設けています。調査が進むにつれて、住居内に炭の塊が目立つようになり、どうもこの家は火災で失われたらしいということがわかってきました。また、カマドの周囲などからは、家のなかで使って7>いた土器がほぼ原形のまま発見されました。出土した土器には、食事の時に使う椀形のものや食物の調理に使う豊、今の蒸し器のような使い方をした甑など、様々なものがあります。

今回出土した貴重な資料は、今年度整理をし、報告書にまとめるとともに、近い将来、企画展や常設展で皆さんにご覧いただく予定です。

竪穴住居跡

竪穴住居跡

調査風景

調査風景

出土した土器

出土した土器


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