教育福島0165号(1992年(H04)09月)-031page

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特集3

生涯学習情報システムの開発・研究

−生涯学習課−

 

はじめに

所得水準の向上や自由時間の増大、高齢化の進行など社会経済環境の変化や高度情報化、国際化などの新しい時代の流れの中で、県民の学習に対するニーズが多様化、高度化してきており、生涯の各時期における発達課題や生活課題に応じた学習を行い、人生をより豊かに過ごしたいという欲求がますます高まっています。

本年二月に内閣総理大臣官房広報室で実施した「生涯学習に関する世論調査」(全国二十歳以上の者三千人を対象・有効回収率七十三%)の結果においても、「最近一年間に生涯学習を実践した人」は四十七・六%と昭和六十三年九月に実施した調査よりも七・五ポイント増加しており、生涯学習に対する今後の意向では、「生涯学習をしてみたいという人」は六十五・九%と高い数字を示しています。

この結果を分析すると、「してみたいと思うと答えた人」六十五・九%と「実践した人」四十七・六%の差が十八・三%と大きな開きが出ています。

「生涯学習をしていない理由」としては、「仕事や家事が忙しくて時間がない」という人が五十九・二%と圧倒的に多くなっていますが、その他、「きっかけがつかめない」、「めんどうである」、「身近なところに施設や場所がない」、「自分の希望に合う講座や教室がない」、「必要な情報がなかなか入手できない」等を挙げる人の割合も高くなっています。

このような中で、学習者の自主的、自発的な学習活動を側面から支援し、種々の学習機会と県民の学習ニーズを結びつける学習情報提供システムの整備・充実が不可欠な時代になっており、学習者の主体的な学習意欲を促進するためには、一人一人の学習ニーズに応じた学習情報を的確かつ効果的に提供していくことが求められております。

「いつでも」、「どこでも」、「だれでも」、必要に応じて必要な学習情報を入手できるということは生涯にわたる学習を続けるために必要不可欠であり、学習活動の啓発に大きな役割を果たすことになります。

生涯学習の振興の必要性については「臨時教育審議会」が数次にわたる答申で「生涯学習体系への移行」を強く打ち出し、文部省の諮問機関である中央教育審議会が、平成二年一月に「生涯学習の基盤整備について」を答申としてとりまとめました。

同答申では、生涯学習を振興するに際して、国や地方公共団体に期待される役割は生涯学習の基盤を整備することであるとし、その観点からの課題の筆頭に「学習者が自ら適切な学習機会を選択し、自主的な学習を進めることができるよう、学習情報を提供することや学習者のための相談体制を整備すること」が挙げられています。

さらに、この答申を受けて平成二年七月に成立した「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律」においても学習情報の提供は、生涯学習の振興のため都道府県が取り組むべき最重要の事業に挙げられています。

学習したいという気持ちもそのままでは漠然とした希望のままであり、このような希望を現実に換えるのが、学習情報を効果的に提供することであり、学習をコーディネートする学習相談です。

高度情報社会といわれている現在、エレクトロニクス技術や電気通信技術の進展によりニューメディアの利用が進み、社会のかなりの領域で通信回線を利用して、データベース化された情報を必要な時に検索できる、情報提供システムの構築が盛んに行われています。

生涯学習の場においても、社会に存在する大量で多種多様な学習情報を迅速かつ正確に処理することのできる情報提供システムを整備し、適

 

 

 


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