教育福島0165号(1992年(H04)09月)-032page
切な情報を各市町村等を通じて学習者へ提供していくことは、学習者の学習意欲を喚起し、県民の自主的な学習活動を一層促進・援助するとともに、教育現場の活性化にも寄与できるものと考えております。
一 利用効果
活力ある学習社会を形成し、心豊かな生き生きとしたふくしまを創造するためには、学習者自らが主体的に学習へ取り組むことです。
県民の生涯にわたる学習を援助していく上で、学習情報の提供や学習相談は重要な基盤の一つであります。特に、ニューメディア等を活用した学習情報提供システムの活用は、高度情報社会に適合した手段であり、個人の求めに応じた情報提供を可能にし、県民の学習活動を奨励・助長していく上で大きな意義を持つものです。
生涯学習情報提供システムの利用効果として、次のようなことが期待されています。
1 本県のような広域県においては、均等に情報を享受することが要求され、どこの地域の県民にも、質の高い情報をリアルタイムに提供し、県民の自発的・継続的な学習活動を援助することができる。
2 県下の学習情報を一元化することにより、全県下の情報が広く活用でき、情報における地域の格差をなくすことができる。
3 公民館など県民のための学習施設において、学習者のニーズに対応した学習計画及び学習プログラムの作成が可能となり、生涯学習の輪を一層広げ、学習活動を活性化することができる。
二 県の学習情報提供の現状
昭和六十年に福島県生涯教育推進本部(平成三年十一月からは、福島県生涯学習推進本部)を設置して以来、生涯学習を援助するため、「生涯学習データバンク情報提供事業」として次の内容のものを実施してきました。
1 教育資源調査
学習・文化・スポーツ活動に関する資源調査
・学習施設
・学習指導者
・学習教材
・学習情報源
・学習機会
・学習グループ
・各種資格
2 「生涯学習ガイドブック」の作成配付
・「学習施設編」 (昭六○)
・「学習指導者編」 (昭六一)
・「学習教材編」 (昭六二)
・「学習情報源編」 (昭六三)
・「学習機会編」 (平成元)
・「学習団体・グループ編」(平成二)
・「資格編」 (平成三)
3 広報紙「生涯学習ふくしま」の発行
年四回
4 スポット放送
ラジオ・テレビ
5 学習情報「生涯学習関連事業」の紹介
年四回
6 機関誌「社会教育」の発行
年四回
7 INFキャプテンシステムによる情報提供
三 本県の取組み経過
昭和六十三年三月に福島県生涯教育推進会議から、「本県における生涯教育推進方策について」八項目の提言がありましたが、「学習情報提供と学習相談体制の整備を図ること」という項目において
1 新しい時代に対応した情報提供システムを確立する。
2 民間を含めた学習情報の相互提供を促進する。
3 学習相談体制の整備と機能の充実を促進する。
以上の三点が示されました。
さらに、この提言を具体化するため、昭和六十三年十一月より、福島県生涯教育推進会議専門部会で次の項目の検討が進められました。
・学習情報提供の現状
(県、市町村)
・県民の学習動向と情報のニーズ
〈図1〉 福島県生涯学習情報提供システム整備事業の概要図