教育福島0165号(1992年(H04)09月)-038page
養護教育センター通信
障害のある子どもの理解のために4
〜病弱・身体虚弱〜
人は、誰しも心身共に健康で、心豊かな生活を送りたいと願っています。しかし、病気のため長期の闘病生活を送らなければならなかったり、身体が弱かったりするため、元気に学校生活を送れない子供たちがいます。
そのような子供たちも、戸外で元気よく思い切り遊びたい、多くの友達と一緒に勉強したいなどと願っているのです。
ここでは、病気のある子供が健康を回復したり、健康状態を維持したりしながら、心豊かな生活を送れるようにするために、かかわり手の配慮や対応の仕方について述べます。
病弱児・身体虚弱児とは
病弱や身体虚弱というのは、医学的な用語ではなく、常識的なことばとして用いられています。そのため、かなり広い範囲を指しますが、学校教育の立場では学校教育法施行令により表1のように示され、教育の場が設けられています。従って、いくら病気が重くても短期間に回復する場合には病弱には含めません。慢性でしかも医療を必要とし、生活規制(健康状態の維持・改善等を図るための食事や運動制限、その他の生活上の様々な配慮)のある子供をいいます。
このような病弱や身体虚弱の子供たちは、健康の回復や改善を図るため、医療機関等との緊密な連携のもとに、様々な配慮をしながら生活や学習をする必要があります。
子供たちの病気の傾向
病弱養護学校や病弱・身体虚弱特殊学級で学ぶ子供たちの病気などの種類は、医学の発達や保健衛生意識の向上、社会環境の変化などによって、多様化してきています。
全国的には、以前多かった結核性の病気(肺結核やカリエス)が少なくなり、気管支喘息、腎臓病(腎炎、ネフローゼ症候群など)や進行性筋ジストロフィー症などが多くなってきています。心身症などのように心の悩みから身体症状としてあらわれる精神・神経疾患・肥満なども増加の傾向にあります。
また、症状の軽度の子供は、通常の学級で生活することが多くなってきています。
表1 病弱・身体虚弱者の教育措置基準