教育福島0165号(1992年(H04)09月)-049page
美術館だより
スウェーデンガラス1900−1970展
−白夜の国の叙情−1992年10月10日(土)〜11月8日(日)
スウェーデンのガラス工芸はヨーロッパの他の国々にくらべると比較的歴史が浅く、ヴェネツィアやボヘミアに学びながら、その基礎を築いてきました。それが飛躍的な発展をとげたのは二十世紀に入ってからのことです。スウェーデンの新興ガラス会社オレフォーシュ社が、シーモン・ゴーテ、エドワルド・ハルドという二人の画家をデザイナーとして迎え、抑えた色彩とシンプルな輪郭をもった独創的なガラス器を創り上げました。そして、これがきっかけとなって、スウェーデンの主だった
ガラス工場は芸術家と職人による共同制作に積極的に取り組み始めます。なめらかな表面の内側に文様を包み込んだ「グロール・グラス」、ガラスの中に気泡を封じ込めた「アリエル・グラス」など、新たな技法が開発され、機能的な美しさと感覚的な美しさをあわせもつ優れたデザインのガラス器が次々と生み出されていったのです。その素晴らしさは、一九二五年にパリで開かれた「国際現代装飾産業美術展」において世界的に知られるようになりました。
本展では、シーモン・ゴーテ、エドワルド・ハルドをはじめ、そのあとをひきついで個性あふれる作品を生み出していったヴィケ・リンドストランド、エードヴィン・エーストレームなど、スウェーデン・ガラスの黄金時代を築いた作家たちの作品二八七点を一堂に展示し、白夜の輝きと叙情に満ちたスウェーデン・ガラスの魅力をご紹介いたします。
観覧料
一般・大学生八二〇円(六六〇円)
高校生六一〇円(四六〇円)
小・中学生四一〇円(三〇〇円)
( )内は二〇名以上の団体料金休館日毎週月晴日十一月四日(水)
エドワルド・ハルド鉢「花火」
エードヴィン・エーストレーム皿1948年
モナ・モラレスニンルト花器「ヴェンタナ」1959年頃