教育福島0166号(1992年(H04)10月)-009page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

講演一 基調講演 生きがい

「人と人とのささえあいっこ」

牟田悌三先生

 

「生きがいというのは個人的なものであり、どうこういう問題ではないと思うが、精神文化ということから考えてみたい。」と話をはじめられた。

北海道大学農学部出身の牟田先生は、北海道の自然の大きさに出会って人間のちっぽけさを感じ、人間同志がもっとうまくやっていかなければならないと、青春時代に感じた思いをずーっともっていたが、そんな思いが年齢とともに強まってきたこと。俳優業が四十一年になった最近は、役者である以前に人間として生きたいという思いがあること。そして精神文化の大切さを、また人と人とがささえあって生きることの大切さをご自身の実践活動をもとに話されたが、素晴しい生き方をとおしての講演内容は、受講者に大きな感銘を与えたことがアンケートの結果からも感じられた。

文部省の生涯学習クリエイティブアドバイザーとして、生涯学習・社会教育の推進に独創的な助言を行うという役をつとめられ、自らがボランティア活動を推進されている方で

あるが、講演の中で話された地域でのボランティア活動のきっかけは、次のような子供とのかかわりからだった。

五人の子供に恵まれたが、二人が中学生となったときにP・T・A会長の役を引き受ける羽目となった。

P・T・Aの仕事をとおし、地域の人とのつながりの大切さを感じ、地域の問題を考えてみようとの働らきかけをしたが、世界に目を向けても(とくに文化人と言われる人ほど)足下に目を向ける人の少ないことを感じた。

その他いろいろな角度からアプローチしたが、結果的には何もできなかったことが実感であり、心残りとなっていた。

そんな中で考えたことは、現代は不足が不足しているのではないかということだった。

欲しいものは何でも手に入る状況では無感動・無感心ということになる。地域の子供達に不足を上げようと思った。

みんなに上げられる不足とは何かと考えたとき、「ハンディキャップ」という不足、「障害」という不足のあることに気がついた。

中学生が障害のある人とのつながりをもつ中で、人間の本質的な問題について発見してくれるだろうと思った。

そんなことから中学生と障害のある中学生との交流活動の機会をもつことに奔走し、実現したが、中学生達が自ら考え実行したその行動力はプロセスも、結果も見事なものであり、逆に中学生から教えられたものが多かった。

その様な活動を十年間行い、一時ストップした。

ストップすることによりまた不足の状態が生れるだろう。そう思っていたら再び子供達の方から、地域の中で出会える場をつくりたいとの望みがで、それが基になって昨年も今年も大きなイベントを行った。

そのほか、数多くの活動にかかわって、それにより人と人とのつながりが広がってきた。また、ボランティアということについては、はじめは人にしてやることだと思っていた。しかし、その中でやっても、やっても、また明日もやらなければと思うと行きづまりを感じた。

しかし、やったら反対にもらえばよいのだと考えた。

勿論金やものをもらうということではなく。

そのためには、今までより目を凝らし、耳を向ける。その結果、本質的な視点から物を見ることができる

 

 時間日程
第一目12:45受付
13:30オリエンテーション
13:45主催者側挨拶
13:50〜15:20講演一
基調講演
いきがい
「人と人とのささえあいっこ」講師
俳優
牟田悌三
15:30〜17:00講演二
健康管理
「これからの健康管理」
講師
公立藤田総合病院院長
本宿尚先生
18:00懇親会
第二日目8:30〜10:00講演三
年金関係「共済年金の概要」
講師
公立学校共済組合<
福島支部長期給付係
主任主査兼係長
鈴木康稔
(郡山会場)
主査
吉原富雄
(福島会場)
10:10〜11:40講演四
資産関係
「財産管理運営のあり方」
講師
福島銀行営業開発部
課長
吉田正夫先生
(郡山会場)
「生活設計と資産運用のポイント」
講師
東邦銀行営業開発課
副参事役
野崎信一先年(福島会場)

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。