教育福島0166号(1992年(H04)10月)-038page
県立学校だより
猪苗代湖と本校
−湖岸清掃奉仕活動の実施−
県立湖南高等学校
一、猪苗代湖と湖南町の環境
磐梯朝日国立公園の猪苗代湖は、面積日本第二位の約一〇五キロ平方メートル、周囲約四九キロメートル、水深約九四メートル、標高五一四メートルと磐梯山の南に位置し、磐梯山とともに全国に知られており、福島県のシンボルとなっている。
この猪苗代湖は、安積疎水等の水源となり、郡山市、会津若松市周辺の地域の農業工業用水のみならず、上水道の水源として、重要な湖である。
湖南町は、猪苗代湖の南岸で五つの地区からなり、過疎化が進んで人口六千人弱となり、ピーク時の約半数となっている。
猪苗代湖畔では夏涼しく、湖水浴や釣り、湖岸でのキャンプとレジャーのためにこの地を訪れる観光客は県内外から日に一万人を越え、キャンプのためのテント幕営も、ピーク時には五百張りを数える程の盛況である。
その反面、冬は積雪と厳寒で霧氷とダイヤモンドダストが見られるという、厳しい自然現象の下にある。
二、本校の沿革
湖南高等学校は、郡山市湖南町福良に位置し、昭和二十三年県立大槻高等学校福良分校として開校し、二十六年県立安積高等学校福良分校と校名変更し、三十八年四月一日独立して現在に至っている。本校は全校六学級の小規模なへき校である。
三、本校の環境教育
「うつくしま ふくしま」そのままの湖南町、水と緑の豊かな自然に恵まれたこの地を、住民は大切にし誇りにしている。ここで生まれ育った生徒は、この自然とともに育み、伸び伸びとたくましく、心も純真で動労意欲も旺盛です。
本校では、教育目標の一つに「地域社会の発展に貢献できる人間を育成する。」を掲げ、地域社会での豊かな自然環境のなかで、自然と触れ合う奉仕的活動により、実際の社会生活に参画しながら、自主性や集団への適応力を高めている。
そのためにも毎日全校生一斉に清掃を実施して、学校環境の整備に当たっている。さらに生徒会行事として通学路の道路清掃と猪苗代湖の湖岸清掃を実施している。
四、湖岸清掃奉仕活動
(1) 目的
1) わが校のシンボルである猪苗代湖の美しい自然を自分たちの手で守ることにより、自然を愛し、慈しむ心を育成する。
2) 勤労の喜びを知り、あわせて高校生の自覚を持ち、積極的に社会活動に参加する態度を養う。
(2) 日時と日程
平成四年六月二十日(土)
九時現地集合点呼 九時十分〜
十二時二十分作業・後始末
十三時三十分点呼解散
(3) 場所及び監督・生徒配分
湖南の五つの浜 全教員と全校生(事前に割当て名簿作成)
(4) 実施方法
空きカン・空きビン・ガラス類など(ビニール・プラスチック類を含む)燃えないゴミと燃えるゴミを集め、道路の指示された場所に置く。
(5) 生徒会並びにJRC委員会
事前準備とゴミ袋の配布と回収
(6) その他
軍手の準備と体育時の服装
移動には、自転車を利用する。(湖南地区以外の通学生は本校集合で輸送する。)
この湖岸清掃は、本校では以前より伝統として実施しており、郡山市湖南町行政センターと公民館を中心として、湖岸をきれいにする実行委員会も結成されており、地域の小・中学校、老人クラブ、地域住民も夏の観光地のために、地区全体で湖岸清掃を実施して整備している。本校の生徒は、小学校の時より経験しており、恒例的行事としてなんの抵抗もなく実施要領も身に付いているので、積極的に参加している。
最後に本校と猪苗代湖との関わりを校歌の一節から引用する。
猪苗代 漫たるその水
清らなる 深き心に
おのがじし 道を究めん
いざ進め 友よわれら