教育福島0167号(1992年(H04)11月)-012page

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1)平成二年十一月五日(土)

「二十一世紀を生きる女性」

江戸川大学教授 小玉美意子先生

創立四十周年記念事業の一つに位置づけ、PTAや同窓会、地域の方々にも呼びかけた。その結果、数十名が本校生とともに先生の親しみやすく、物静かで、わかりやすい語りかけに聴き入った。

「これからの女性は、生き方や仕事の面で、『女だから』という甘えは許されず、広い視野から自分を開発する努力を続け、実り豊かな人生を送って欲しい」と女性としての新しい生き方を説かれた。

2)平成三年十月二日(水)

「世界の山々を目指して」

登山家 田部井淳子先生

講師は、高名な登山家であり、しかも福島県出身、女性ということで生徒たちの関心は高く、講師も相手が女子高生であり、さまざまな問題をかかえた本校生であることを念頭にわかりやすく話された。

「一番大切なものは、本当に行くんだ、本当にやるんだという自分自身の意志、意志こそ力」と熱っぽく語る体験に裏打ちされた話に感銘を深くしていた。

今回も地域の方々に参加を呼びかけた。地域に開かれた学校、地域との連携という意味での成果もあった。

3 生徒作品常設展示場

生徒昇降口の一隅を仕切り、美術作品等の展示場を設けた。

主に美術の授業で制作された作品と美術部の生徒の作品を展示し新しい作品ができるたびに展示替えをし、多くの生徒に鑑賞してもらうことができた。

この展示コーナーは、学校生活の中でのゆとりの空間を意味するものであり、絵画作品等への自然な接し方をとおして、視覚的にはむろんのこと、心理的、精神的な働きかけをするのではないかと期待される。

 

生徒作品常設展示場

 

生徒作品常設展示場

 

4 学校美術館

平成二年度は、前述のごとく創立四十周年の年に当たり、記念事業の一つに芸術文化推進事業を位置づけ「学校美術館」づくりを目指した。そのため、本校ゆかりの方々をはじめ地域の方々に呼びかけた結果、三十余点の書画が寄贈された。

学校全体が落ち着いてうるおいがあり、しかも文化の薫りが芬々とする、いわば美術館のようでありたい、そんな願いが作品の常設展示場となり書画の寄贈となった。これらが校舎のいたるところに飾られ、それが安らぎを与え、うるおいのある学校生活空間を作り出した。

こうした環境は、人生を豊かに生きようとの意欲を喚起し、芸術文化に対する感性を磨き、創造性を培い、本校の努力目標の一つである「豊かな情操を身につけさせ、気品の高い校風の樹立を目指す」上で大いに役立っている。とかく即物的な生活態度になりがちな時代風潮の中にあって、少しでも精神生活を尊重する方向へとその変容を期待している。

 

学校美術館

 

学校美術館

 

5 礼法指導

小高町在住の裏千家茶道教師、鈴木芳乃先生を講師に、各クラス年二回、茶道の精神にのっとった礼法指導をホームルーム活動の一環として実施している。

礼儀は、一個の社会人として生きていくために必要な節度、守らなければならない当然の行いである。しかし、近ごろはこの礼儀が軽視される傾向にあり、本校においても、日常のあいさつ、正しい言葉づかい等基本的な生活習慣が確立されていない生徒が多くみられる。また、人間関係におけるルールの大切さも軽視されているように思われる。

茶道は、終始一貫して礼儀を基礎とし、日本人が古来より大切に守り育ててきた生活文化すべてを取り入れた総合文化であると言われている。この世の中を生きていく上で必要な一つの手段として、また、個々の人間の価値を少しでも高めようとするための一つの教えとして、高校生が茶道を学ぶことは、大変意義の

 

 

 


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