教育福島0167号(1992年(H04)11月)-020page
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軽視することなく、その予防指導に継続して取り組む必要があります。
3 学校保健推進の具体化
(1) 学校における健康教育
人生八十年の時代を迎えて、人間の幸福の基礎は、生涯を通じての心身の健康と、人生の各期に応じた生きがいにあるとの認識が一般化してきています。
このような観点から、学校における健康教育は、児童生徒一人一人が発達段階に応じて心身の健康の価値について認識し、生涯にわたって健康な生活習慣を営むことができるようにすることを目的としています。
したがって、各学校においては各教科、道徳、特別活動の指導はもとより、教育活動全体を通して、健康な生活を営むための能力や態度を培う必要があります。
(2) 現職教育の充実
学校保健に関する現職教育の内容は、一般的には次の事項があげられます。
(ア) 学校経営と学校保健
(イ) 地域社会が行っている保健活動と規範についての把握と評価
(ウ) 児童生徒の健康に関する実態の把握と評価
(エ) 学校環境衛生に関する実態の把握と評価
(オ) 心身の健康に問題がある児童生徒の管理と指導
(カ) 児童生徒の疾病予防・健康増進の指導
(キ) 学校保健に関する校内研修
(ク) 学校保健に関する組織活動
(ケ) 学校と地域関係機関・団体との連携
さらに、現職教育は、現場が当面している課題について、次のような手順を踏んでその解決を図っていく必要性があります。
課題確認-課題分析-課題解決方法の研究-課題解決方法の適用-実践-評価-課題確認
この過程において全員が自校の課題について共通的に認識を深めていくことが、各学校の学校保健活動を進めていく上で大切なことです。
(3) 本県における学校保健の実際
本県においては、学校保健活動のより一層の充実を図るため、各種講習会、研修会等を開催したり、研究指定校の実践事例の公開等を行っています。
また、今年(平成四年六月二十三日付)改正された学校環境衛生基準や胸部エックス線撮影に関する変更事項についても通知しその徹底を図っています。(資料1・2)
さらに、エイズ予防については、高校生向けに認識と理解を深めるために、日本学校保健会発行のリーフレットを配布するとともに、性に関する指導を充実させるため、今年度中に「性に関する指導の手引」を県学校保健会から発行する予定です。
今後の学校保健の課題としては、刻々と変化する児童生徒を取り巻く健康問題に対して、学校が積極的に家庭や地域社会に働きかけ、学校医・学校歯科医・学校薬剤師の適切な助言を受けながら課題解決を図るための学校保健委員会の活性化があげられます。
そのため、保健主事が中心となり、各学校における学校保健委員会の活動の充実に努める必要があります。
三 学校安全の充実
学校における安全管理は、児童生徒がスポーツや学習など学校生活を安全に送るための重要な学校管理の一つとして位置付けられています。
しかしながら、日本体育・学校健康センターが発表する管理下の事故や警察庁が発行する交通白書等をみると、児童生徒の事故は、年を追うごとに少しずつ増加傾向を示しているのが全国及び本県の状況です。
したがって、各学校においては、児童生徒が明るく楽しい豊かな学校生活を送ることができるよう学校安全管理の徹底に努める必要があります。
1 児童生徒の事故の実態
(1) 日本体育・学校健康センター福島県支部統計にみる災害発生状況 (図1)
学校管理下の災害発生状況をみると、小学校においては、休憩時間の災害が四十八・六パーセント、次いで各教科・道徳が二十四・五パーセ
資料1 公衆衛生審議会答申の概要(一部抜粋)
2.今後の結核健康診断のあり方について
(1)定期健康診断における胸部エックス線撮影について
1)小学校1年生時及が中学校1年生時のツベルクリン反応において陽性と判定された者に対して一律に行われていた胸部エックス線間接撮影を廃止する。
2)小学校4年生時、中学校2、3年生時の胸部エックス線間接撮影を廃止する。
3)上記2)に伴い、小学校4年生時及び中学校3年生時の定期健康診断を廃止する。
(2)小学校1年生時及び中学校1年生時のツベルクリン反応において強陽性と判定された者又は医師の必要と認めた者に対しては、個別に適切な医療機関等で精密検査を行うこととする。
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