教育福島0167号(1992年(H04)11月)-029page

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教職十五年目を迎えて

滝沢洋介

 

についたのは、昭和五十三年四月。今年で、教職十五年目を迎えたことになる。

 

私が教職についたのは、昭和五十三年四月。今年で、教職十五年目を迎えたことになる。

そんな節目の年でもある今年の四月、担任外(研修主任)となり、今までと違う立場に、大きなとまどいを感じていた。責任の重さを感じたことは言うまでもなく、「学級」という場を失ったさびしさが、心に残った。

担任へのこだわりを捨て切れないでいる時、先輩の先生に言われた、

「教師は十五年が勝負。」

という言葉が、私の胸に突き刺さるように入ってきた。中堅と言われる年代になり、学校経営にも積極的に参画しなければならない立場となり、いつまでも学級担任にばかりこだわっていては、という意識を持つようになってきた。

そして、研修主任として授業をふりかえったとき、まず分科担任となった自分の授業を通して、いくつかの問題点に気がついた。

一番強く感じたことは、授業は四十五分限りの勝負であるということだ。学級担任であっても、それは当然のことであるが、担任であるがゆえに、時間外にフォローできることがたくさんあった。とりわけ、児童理解については、授業に際し特に大切なことであるが、限られた時間の中で一人一人を確かにとらえることは難しい。不十分な児童理解のまま一斉指導をしようとしたときの児童の反応の低調さを何度か味わったことがある。

また、一人一人の児童にそれぞれ個性があるように、学級集団にも興味、関心等の違いがあり、同じ教材の提示でも学級ごとに反応が違う。

このような体験を通し、個の理解に努め、一時間一時間の授業の充実を図っているところである。たとえば、体育科の指導において、ノートや学習カードを活用して個々にめあてを設定させ、その達成状況を具体的な記録をもとに自己評価させながら達成感、成就感をもたせるなど、個に応じた指導に心がけている。

まだまだ始めたばかりで、試行錯誤の段階であるが、分科担任というこれまでと違った立場で気づいた点を、自分の授業の改善に生かすとともに、他の先生方にも広げていきたいと考えている。

勝負の年十五年目も、研修主任としては一年目である。先生方の意見を大切にしながら、校内研修を充実させていきたい。あわせて、自分自身、立場にふさわしい力量を身につけていなければ、と考えるこの頃である。

(会津若松市立城南小学校教諭)

 

新たな気持ちで

室井永治

 

かった私にとって、この原稿の執筆は、自分を見つめなおすよい機会であった。

 

私は、今年三月の人事異動で教員生活の振出し校である現任校に現在勤務している。十三年ぶりの勤務である。日々の生活に追われ、自分の教員生活も振り返ることもなかった私にとって、この原稿の執筆は、自分を見つめなおすよい機会であった。

正式採用になるまでに小学校・中学校の講師生活も合わせて六年間、八校を経験した。長い時で一年、短い時で一カ月。その時々で様々なできごとがあった。

このような経験を経て、先日、福島県教育委員会委嘱学校教育指導委員としてA中学校に学校訪問に出かける機会があった。

講師としてA小学校の二年生を担任していた頃の子供達が、現在中学三年生として在学している学校である。この子供達を担任していた年は、七回目の挑戦の末、ようやく教員採用試験に合格した私にとって記念すべき年でもあり、思い出深い子供達である。

この学級は、小学校から単学級のため学級のメンバーは小学校と変わらない。私を手こずらせたR君もあの頃の面影を残しながら椅子に座っていた。このR君は、その当時、教員を目指す私にとっていろいろなことを教えてくれた。中でも非常に印象に残っていることは、校内行事でのマラソン大会であった。R君は、

 

 

 


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