教育福島0167号(1992年(H04)11月)-030page

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全くマラソンには興味を示さなかった。何をするにも興味のないことは、全くといっていいほどやらない子であった。私も学級のみんなもあの手この手で練習に誘うのだが、半分も走らずに止めてしまうことが多かった。

いよいよ大会当日の朝。朝の学活を終え、校庭に集合する時、R君が何気なく擦り寄ってきて、「先生、今日ぼく走るよ。」と言ってきた。そして、途中何度か挫折しそうになりながらも最下位に近かったが完走したのである。私は、息を弾ませ、額に汗を光らせているR君の肩を抱いき、「よく、がんばった。」その一言を何度も繰り返した。学級のみんなもR君を囲み、その健闘を称えた。あれだけ走るのがいやだったR君が走る原動力となったのは、「みんながぼくのことを心配するから。」だった。私は、「ひとりひとりがお互いの存在を認め合う学級」の大切さをこのできごとから学ぶことができた。

今、教員としての振出しでもあった現任校で、十三年間の様々なできごとを振返りながら、中堅教員としての自覚を持ちつつ、もう一度新たな気持ちで教育活動に取り組んでいきたいと考えている。

(下郷町立下郷中学校教諭)

 

教育モニター募集のお知らせ

文部省では、教育改革に関する諸施策を実施するにあたり、広く一般国民から、意見、要望等を聴き、諸施策の立案・検討・具体化に反映させるため、「平成五年度教育改革モニター」を次の要領で募集しています。

◇仕 事

文部省から依頼するテーマについて、モニターとしての意見などをまとめ、文書で提出する。

◇募集人員

本県で九名程度(依頼期間は二年)

◇応募資格

教育改革モニターとして仕事に熱意をもつ二十歳以上の方

◇申込先

福島県教育庁総務課広報係

〒960福島市杉妻町二番一六号

TEL〇二四五(二一)七七五八

◇申込締切日

平成五年一月十四日(本)

◇「申込書」の請求

前記「申込先」で直接受け取るかまたは、六十二円切手をはった返信用封筒(あて先明記)を同封し前記「申込先」に請求する。

(県教育庁総務課)

 

全国初の全日制単位制高等学校開設

新しい時代にふさわしい新しいタイプの高校として、来春四月、いわき地区に、全国に先駆けて、全日制課程の単位制高校がスタートします。

単位制高校とは、「学年の区分によらない」、学年の枠を外した高校です。自分の進路や適性に応じて学習をすすめ、教科・科目の単位を八十単位以上修得すれば、卒業資格を得ることができます。

また、全日制課程なので、授業は通常の時間に行い、部活動などの特別活動もこれまでの高校と同様に実施します。

学科としては「文理科」を設置し、大学進学を目標とした進路指導には、万全の体制で臨みます。

一 学校の特色

生徒一人ひとりの自主性・主体性を重んじ、多様な個に応じた学習を可能とする単位制高校には、次のような特色があります。

(1) 学年の枠にとらわれず、自主的、主体的に学習できる。

(2) 大幅な選択科目が設定され、能力、適性、興味・関心、進路等に応じて自分に合った時間割が、自分で作成できる。

(3) 二期制なので、前期・後期の学期ごとに単位の認定を行う。

(4) 学年による修得単位の指定がないので、原級留置がない。

(5) 過去に在学した高校で修得した単位を卒業必要単位に加算できる。

(6) 特別な事情によっては、学期ごとの転編入学や卒業ができる。

二 設置学科、募集定員

「文理科」 二学級 八十名

三「文理科」の特色

一年次では、主として必履修の教科・科目を共通に学習しますが、二年次からは、進路や適性に応じて、「文科」と「理科」の履修タイプに分かれます。

「文科」は、国語・社会・英語を中心に、

「理科」は、数学・理科を中心に、特色ある演習科目や総合科目を多く学習し、それぞれ、専門的な知識を深め、応用力を身につけます。

◎「文理科」の専門科目

「文科」−国語工演習

日本史演習

英語I演習

総合英語

外国事情 など

「理科」−数学I演習

総合数学

総合数学演習

総合化学

総合生物演習 など

 

 

 


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