教育福島0167号(1992年(H04)11月)-031page

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(2) 児童生徒の交通事故(表3)

本県児童生徒の交通事故による被害は、昨年に比べ増加傾向にあり、県警察本部交通企画課調べによると小学校では、歩行中と自転車走行中(同乗を含む)が全体の約八十パーセント以上、中学校では、自転車走行中(同乗を含む)が全体の六十四・五パーセント、また、高等学校でも自転車走行中(同乗を含む)が全体の六十三・四パーセントを占めています。

したがって、自転車の安全利用の徹底は、小学校から高等学校までの共通課題であり、関係機関との連携を取りながら交通安全指導の徹底を図る必要があります。

 

2 学校安全指導の充実

 

2 学校安全指導の充実

(1) 危険に対する安全意識の醸成

児童生徒の事故災害は、学校環境や児童生徒を取り巻く生活環境の変化と児童生徒自身が危険を予知する生活体験に乏しいことが、その原因として指摘されています。

したがって、今後の安全に関する指導は、危険に対して自らを安全に確保する態度や能力を育成することにとどまらず、自らの努力で生活における危険を予知し、その対応の仕方を判断し行動選択できるようにすることを目指す必要があります。

さらに、中・高等学校段階では、非常事態における高齢者やハンディを持った人々を積極的に介護する態度や能力の育成にも配慮することが必要になってきます。

(2) 学校安全計画の策定

学校における安全管理や、安全指導を適切に推進するためには、地域や学校、児童生徒の実態等に基づく学校安全計画を適切に策定する必要があります。

学校安全計画の策定に当たっては、文部省が発行している「小学校安全指導の手引」や「中学校安全指導の手引」を参考にすることが大切です。

(ア) 安全教育に関する機会

各教科、道徳、学級活動(ホームルーム)、学校行事、児童会活動(生徒会活動)、クラブ活動等の場で随時指導するとともに、課外指導(体育的部活動等)や休憩時間等の場でも指導を加えていくよう計画することが大切です。

(イ) 安全管理に関する事項

1) 施設・設備に関する点検

2) 通学路の設定と安全点検

3) 通学時のきまりの設定

4) 学校生活の状態に応じた安全のきまりの設定

5) 緊急事態発生時の対処法

6) 緊急事態発生時の意識・行動の理解

(ウ) 安全に関する組織活動

1) 安全指導、応急処置等の校内研修

2) PTA等保護者の安全に関する研修

3) 学校安全委員会の開催

4) 地域における児童生徒の交通安全の課題解決を図る学校・家庭・関係機関の連携

計画表の作成は、特に定まった様式はないので、地域や学校の実態、児童生徒の状況を踏まえ、学校教育目標との関連を十分に図りながら作成することが大切です。

 

四 おわりに

 

四 おわりに

児童生徒を取り巻く健康問題が多様化している今日、学校教育で取り扱う健康教育は、一段と重要性を増しています。

したがって、各学校においては、児童生徒の健康の保持増進のための対応策について十分検討し、全職員の共通理解を深めて、保健教育・安全教育に積極的に取り組む必要があります。

 

 

 


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