教育福島0168号(1993年(H05)01月)-010page
特選入賞論文
「学び育つ授業の探求」
−新しい学力感に立って−
郡山市立金透小学校
代表 校長 大河内宏通
はじめに
本校では、「忠怒と感動の教育」の理念のもと、平成元年度より「学び育つ授業の探究」をテーマとして、互いの個性を大切にしながら、よりよいものを求めて磨き合い、高め合う子どもの実現に向けて研究を進めてきた。そこで、研究のまとめに当たる本年次は、これまでの研究の成果を踏まえ、新しい学力観に立ち、
「自ら進んで学び取る力の育成」
「共に磨き合い、高め合う力の育成」
を研究の視点として、体験的な学習や問題解決的な学習を重視し、子ども自らが進んで学習に取り組む、子ども主体の授業の充実に努めてきた。
一 研究テーマ設定の趣旨(要約)
1 教育目標具現の立場から
今、学校教育に強く求められていることは、心豊かな児童・生徒の育成である。本校では、このことを踏まえ、『力いっぱいみがき合う子』という教育目標を掲げている。
この教育目標の具現にあたっては、学校の全教育活動を通して取り組まねばならぬことは言うまでもないが、特に日常の授業実践こそがその中核になるものと考えた。
2 教育の今日的課題から
私たちは、社会の変化に主体的に対応していく力を身に付けていく学び育つ子どもの姿を、
○ 身の回りの様々な事物から価値あるものに気付いたり、感じ取ったりしていける子ども
○ 既有の体験や学習内容をもとに、解決への見通しを持って、意欲的に追究していける子ども
○ 共に気付いたことをもとに表現し合う中で、新たな見方、考え方、感じ方に気づき、さらに高い価値を求めていける子ども
ととらえて、その子どもの姿の実現をめざした。
3 これまでの研究のあゆみから
本校では、昭和五十八年度から、金透教育の力点を『効力感』の育成において研究を重ねてきた。その発展として、一人ひとりの子どもが人間として生きるために求められる望ましい学力を私たちは『人間的学力』ととらえ、新しい学力観の中核を成すそれらの資質や能力を育成して行こうと考えた。
資料1