教育福島0168号(1993年(H05)01月)-017page

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ている。また、児童発言率は五六・二%から、七〇・二%へと増加している。このことから、児童の話し合い活動が充実してきたことがうかがえる。

 

資料5 机間指導の様子

(五)文芸集作成

 

(五)文芸集作成

○平成二年十月から平成三年三月にかけて文芸集「また来ん春」全二〇冊を作成した。(資料6)

 

資料6 文芸集「また来ん春」第2)期10冊

○企画を自分たちに任せられたため、非常に意欲的に編集作業に取り組んだ。

 

○企画を自分たちに任せられたため、非常に意欲的に編集作業に取り組んだ。

○体裁が美しいので、「もっと作りたい」等の意見が多く、この面からも書く意欲を支援できた。

○作品に朱を入れないことで、純粋に自分の意見を述べるということに没頭できた。

○保護者の投稿もあり、作文に対する意識の高揚がみられた。

○小説やドラマなど、それぞれの興味の対象に自分なりに解釈し、論評を加えることができるようになった。

○平成二年度でこの作業を行った結果、平成三年度は、実際に授業で活用できるような、短歌集「緑葉集」や「主題に関する研究集」を作ることができるようになり、書くことに対する抵抗が消去できたばかりか、その意欲を持たせることができた。

○物語で学習した人物の心の触れ合い方、見つめ方を自分の生活、特に親子関係の中で行おうとする姿がみられ、人間としての幅の広がりがみられるようになった。

(六) 学習発表会

○ 題材を地域に求めた自作脚本、「御神明様異譚」を平成元年度に上演した。それの後日談という形で平成三年度に「後日譚 御神明様異聞」を上演し、身に付けた表現力を発表する機会とした。自分たちの発表により、人に感激を与えることを味わわせることができた。

 

八 研究の成果と今後の課題

 

(一) 研究の成果

○ 国語科学力検査の推移を検討した結果、平成元年度以降の国語科学力に有意な伸びが認められた。

○ 言語事項を中心とした教材研究は、児童の認知面での実態をとらえる基盤となり有効であった。

○ 事前・事後テストを自作し、実施した結果、児童や設問そのものの問題点が浮かび上がり、指導の重点が明らかになった。

○ テキストプリントは、自分の考えを自由に書き込め、話し合いの際、どこを問題にしているのかが明確になり有効であった。また、机間指導との組み合わせで、低位の児童も話し合いに参加できるようになった。

○ 話し合いの際に、自分の意見の根拠を明確にした結果、話し合いの中心点がはっきりして、全体での意見の練り上げに有効であった。また、話し合い活動が、自分の意見を変え、友人の意見を変え、さらに全体の意見を高めていくことを実感し、充実感を持たせ、意欲を高めることができた。

○ 自分の意見を思いきりぶつけるということを重視して、文芸集作りを行ったため、児童の自己解放を促すことができた。

その結果、書くことに対しての抵抗がなくなったとともに、ものの見方が多角的、かつ深くなり、友人どうし、児童対教師、児童対家族の関係を客観的に見つめていこうとする態度が育った。

○ 親子関係をはじめ、国語科の学習を生かして、自分の生活を膨らませている生き生きとした態度は、何よりも本研究の成果をものがたっているものと言える。

(二) 今後の課題

○ 表現領域へも積極的な指導を行い、言語事項を核として、理解領域との相乗効果がねらえるようにしていきたい。

○ 話し合いだけでなく、書くことを通しても思考力が高められるよう工夫していきたい。

 

 

 


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