教育福島0168号(1993年(H05)01月)-022page
特選入賞論文
自ら考え、判断し、行動する力を育てる道徳教育
−学級における指導計画に基づく学習経営を通して−
耶麻郡磐梯町立磐梯中学校教諭 滝沢玲子
一 研究の目的
突然三年生を担任することになった。生徒とは二学年の時に理科の授業で接していただけである。生徒指導上の問題を持ち、積極性があまりみられなかった。表面的に現われた問題のみに目を奪われることなく、生徒の実態を客観的にとらえ直すと、自己教育力アンケートと道徳性検査から、道徳性は高いが目的意識や主体性に欠けることが分かった。生徒のよさである道徳性を更に伸ばせば、目的意識や主体性の欠如を補強することができるのではないか。また、生徒の心身の発達を見ると、自我意識が高まり、個人の能力や適性の分化が進み、不安や動揺の時期を迎えている。自己の生き方について葛藤し、自己の将来を考え、能力や適性に応じて進路を選択する時期である。このような生徒の発達段階を考えると人間としての生き方についての自覚を深める指導が特に必要とされる。
本研究では、教育目標の具現化を目指し、学級の一人一人の生徒に自ら考え・判断し・行動する力を育成するために、次の観点をおさえ、学級における指導計画に基づいた学級経営を行うものである。
○道徳の時間の柔軟な指導
○体験の場での教師の援助・指導
資料1 目指す生徒像