教育福島0169号(1993年(H05)02月)-024page

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が美味しく感じられる。

いぬは よろこび にわかけまわり ねこは こたつでまるくなる

子供達は、まさしく子犬のごとく雪と戯れる。天気の良い日はもちろんのこと、たとえ吹雪でも一日一回は雪の中に出て行かないと気がすまない。雪国に生まれ、雪国に育ち、たくましく成長しようとしているこの子供達。冬の寒さなんかに負けるな。氷や雪の冷たさになんか負けるな。

厳しい冬を越えれば、必ず暖かい春が来る。

冬が寒ければ寒いほど春は暖かい。春の日ざしが光り輝く。

「ねこ」になって暖かさの中だけで育つよりは、「いぬ」になって、寒さなんか吹き飛ばし、走り回って育ってほしい。どんな吹雪になっても、嵐が来ても、生きぬける、たくましい精神力と生命力を身につけてほしいから…。

がんばれ 雪国の子供達

(舘岩村立舘岩幼稚園教諭)

 

笑顔でいっぱいに

二瓶久美子

 

「あれ、私の教室じゃない!」。

 

「あれ、私の教室じゃない!」。

十月も終わりに近づいた朝です。教室へ行くと、国語の教科書を真剣に音読している子供たちがいるのです。

いつもなら、教室へ行くまでに、大騒ぎしている声が聞こえる私の教室です。教室を間違えたのかと、思わず、戸を閉めてしまいましたが、やっぱり、三年生です。朝日が差し込む教室に、自分達でしっかり朝自習に取り組んでいる子供たちがいることが、朝一番のうれしい出来事でした。

こうした小さな変化がだんだん増えてきました。

私が初めて担任したのは、男子六名、女子五名、計十一名の三年生。

少人数ですが、一人一人の存在が大きい学級です。こんぺいとうのように、自分の味と自分の形をしっかり主張する子供たちです。あっちへ行ったり、こっちへ来たりして、ぶつかりあい、ぶつかった時のパワーの大きさに、教室への足どりが重くなることがありました。

毎日が失敗の連続ですが、七転八起をくり返しているうちに、私と一緒に子供たちも頑張ってついてきてくれていたことに気がつきました。「先生。私ね、さいきん、学校に来るのが楽しくなってきた。」

「先生も同じだよ。」

そんな会話を交わしながら、私がつらい顔をして子供たちの前に立てば、子供たちも同じ気持ちでいたのだろうと考えさせられました。

失敗ばかりの私でも、一生懸命ついてきてくれているのです。「子供たちを引っぱっていけるだろうか。」と不安ばかり抱いていたことを恥ずかしく思いました。

教室に、一学期、純子さんが描いてくれた私の似顔絵が飾ってあります。そこには「どうしていいかわからない。」という自信のない私がいます。自信はなくても、子供たちの思いや願いに、真剣に答えていくことが大事なのだと考えさせられました。

子供たちのつぶやきや、「僕達はできるようになりたいんだよ。」と私にぶつかってくる姿にいろいろなことを教えられます。

私が目指すのは、笑顔がいっぱいの学級です。

「だんだん、国語が楽しくなってきたよ。」

「やれば、できるよね。」

とつぶやく時の子供たちの顔は笑顔です。そんな笑顔が増えるように教材研究に励み、私も子供たちに負けないように成長していきたいと思います。

子供たちが私を信じてついてきてくれていることを忘れずに。

(鮫川村立渡瀬小学校教諭)

 

 

 


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