教育福島0170号(1993年(H05)04月)-015page

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(研究実践)

平成4年度研究指定校による実践

 

豊かな心を培い、進んで実践する児童・生徒の育成(体験的活動を通して)

−思いやりの心を持ち、進んで実践できる児童の育成−

滝根町立滝根小学校

 

一、主題・副主題設定の理由

 

心を育てる道徳教育が重要であると言われている今日、町の教育的課題、各学校の児童生徒の実態から、「自分自身で考えて行動できる」「相手に思いやりの心で接する」「自分の役割を知り責任を果たす」ということを発達段階に応じて大事にしながら、心を満たすものの豊かさでない心そのものの豊かさと、進んで行動する力を育てたいと願い、小・中連携で取り組むことにした。

特に、児童生徒がいろいろな集団の中でお互いにかかわり合いながら体験を豊かにすることが道徳性を高める上で有効だと考え、道徳の時間で自己を見つめさせる指導を充実し、また、教育活動全体を通して体験的活動を重視して実践していくことにした。

滝根小学校では、教育目標の具現や保護者の願い等をふまえ、とりわけ「思いやりの心」を育てることを中核に進めることにした。思いやりは相手とのかかわりの中で出てくるものであり、この相手を他の人だけでなく、自然や崇高なもの、社会や集団、さらには自分自身も対象に入れれば、すべての内容が思いやりの心を育てることにつながると考え、本主題を設定したのである。

 

二、研究の見通し

 

(一) 主題のとらえ方(図1参照)

(二) 研究仮説

(1) 小・中学校、地域の共通理解を基盤にし、一貫性や系統性のある指導計画・資料を整えれば、道徳教育の効果があがるであろう。

(2)道徳の時間の中で発達段階に応じ自己を見つめさせる指導を工夫すれば、豊かな心を培うことができるであろう。

(3) 体験的活動を重視し、道徳的価値を明確におさえた指導の充実を図れば、道徳的実践が高まるであろう。

 

三、研究推進組織(中学校参照)

 

四、研究内容と成果

 

(一) 道徳教育全体計画・学級における指導構想・年間指導計画の見直しと作成平成元年度作成の全体計画を見直し、道徳の時間の指導を体験的活動とのかかわりから修正、改善した。その結果、実践研究部の内容との関連から、道徳教育は教育活動全体を通じて行わなければならないことが改めて共通理解された。

学級における指導構想作成により学級経営の重要性を各担任が再確認し取り組むようになった。

年間指導計画は元年度作成のものをもとに、実態による主題の重点化や授業研究による指導法の成果を組み入れて作成し直した。これにより児童の道徳性の発達段階がおさえられ、不時のねらいが明確になり、道徳の時間の指導が充実してきた。

(二) 実践研究部の取り組み

(1) 基本的な生活習慣の指導

1) 「たきねのよい子の一日」の指導

整理整とん、あいさつ、生命尊重、役割と責任--町共通の指導内容を重点とし、生活習慣の共通理解を図るために一日の生活を表にした。その結果、生活の仕方が明確になり、指導に一貫性が見られ、児童に安定感が育ちつつある。

2) 月のめあての指導

めあてを持って生活させることにより、主体性のある児童を育てたいと考えた。その結果、生徒指導年間計画などとのかかわりで個人ごと学級ごとにめあてをたて、

 

(図1) <主題の構想モデル>

 

 

 

 


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