教育福島0170号(1993年(H05)04月)-017page
豊かな心を培い、進んで実践する児童・生徒の育成(体験的活動を通して)
−場に応じた言動ができ、意欲的に生活する生徒の育成−
滝根町立滝根中学校
一、主題・副主題設定の理由
(前段小学校参照)
滝根中学校では、「豊かな心を培う」ためには、心に響く体験をすることが必要であると同時に、人とのふれ合いの中で自己を見つめ、他への思いやりの心が育たなければならないととらえ、多様な関わりの中で自己を見つめ、自己理解を深めながらたくましく生き、自己実現を図るためにも、目標に向かって最大限の努力をすることが大切だと考えた。このようなことから、心豊かで、気力、意欲に満ちた生活を中心に、常によりよい生き方を求め実践できる生徒を育てるため、この主題を設定した。
二、研究の見通し
(一) 主題のとらえ方
(小学校参照)
(二)研究仮説
(1)小・中教職員、地域の共通理解を基盤にし、一貫性と系統性のある指導計画、資料を整えれば、道徳教育の効果が上がるであろう。
(2) 道徳の時間の中で発達段階に応じ、自己を見つめさせる指導を工夫すれば、豊かな心を培うことができるであろう。
(3) 体験的活動を重視し、道徳的価値を明確におさえた指導の充実を図れば、道徳的実践が高まるであろう。
三、研究推進組織(図表)
四、研究内容と成果
(一) 道徳教育計画の検討
道徳教育のねらい、町や学校のめあて、生徒の実態などを十分に加味して全体計画を見直したり、各学年の年間指導計画、学級における指導計画などを立案するとともに、計画がスムーズに実践できるよう資料の整備、補充、保管をする。
(二) 実践研究部
(1) 実践の方針
実践研究部では「体験的活動を重視すること」を研究の中心にすえ、「豊かな心を培う」という全体のテーマにせまろうと試みた。
(2) 基本的な生活習慣の指導
生徒会奉仕部や生徒週番活動、学級活動等の中に、小・中連携で進める基本的な生活習慣に関する活動を設定し、中学校での取り組み内容を明確に位置付けた。
1) 気持ちよく生活するために自分たちの生活場所を進んで整理整頓し、学校全体の美化に努める。
2) 時と場所、相手に応じたあいさつを心をこめて行う。
3) 交通ルールを進んで守り、安全に登下校する。かけがえのない自他の生命を尊重する。
4) 役割と責任を自覚し、協力し合って集団生活の向上に努める。
(3) 全校活動を通しての指導
1) 生徒週番活動の活性化
生徒活動の場を多くすることにより、学級のリーダーを中心に自分で行動し、日で見、考える中で、最終的には生徒全体が考え行動できるようにするための足掛りにして行こうと考えた。「あいさつ」運動については、最初ははずかしがって取り組んでいたが、慣れるにしたがって抵抗がなくなり、素直なあいさつが交わされるようになったことと遅刻者がなくなってきたことが成果としてあげられる。活動の積み上げが自信につながり、人前でも発表ができるなど、