教育福島0170号(1993年(H05)04月)-020page

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教育は祖父母と父母が同一歩調であたる必要がある。

(3) 家庭においては、特に、あいさつ、礼儀作法、整理整頓、交通道徳などの社会生活に必要な生活習慣をしっかり身につけさせるよう努める。

(4) 子供も独自の人格を持った存在であることを理解し、子供の言動を認め、励まし、一人一人のよさや可能性、自主性を引き出すようにする。

3 生活の中での役割分担と共働体験の推進

(1) 日常の家事の分担を通して、家族の相互理解を深め、存在感を認め合い、責任感や感謝、思いやりの心を育てる。

(2) 学校週五日制の実施に伴う休業日などに、親子共同の勤労体験等を計画・実施して人間関係を深めるとともに、勤労意欲や社会参加の意欲を喚起する。

○ 地域美化運動、親子キャンプ餅つき大会などでの勤労体験。

(3) 外国人への偏見をなくし、生活をともにして習慣や価値観の違いなどを理解するとともに、コミュニケーションを深める機会を持つように努める。

○ ホームスティの積極的な取り組みなど

3) 地域社会では…地域ぐるみの道徳的実践の推進

1 ボランティア活動の機会の拡充

(1) 各種団体は、学校週五日制の実施に伴う休業日を活用するなどして、子供たちが参加できるボランティア活動の場を多様に設定して「奉仕の心」を育てるよう心がける。

○ 子供会、町内会、青年会、婦人会などの働きかけを通して。

○ 公共施設の清掃・美化運動、廃品回収、老人ホーム訪問、自然体験活動などの実践を通して。

(2) 各種ボランティア活動への積極的な参加を促すための手立てを工夫し、子供たちの社会参加の意欲を高め、自主性や社会性を育てるように努める。

○ 公民館のジュニアリーダー学級、ボランティア要請講座の開設などを通して。

2 豊かな街づくりへの児童生徒の参加

(1) 地域の人々と各種団体や企業が一体となって、自分たちの街は自分たちで造りあげていく姿勢を示すとともに、子供たちの積極的な参加を啓発する必要がある。

○ あいさつ運動、一声運動、美化運動などの実践活動。

(2) 地域に根づく伝統や文化の継承に心がけ、自分たちの郷土に対する誇りと愛情を育成する。

○ ジャンガラ念仏、獅子舞い、民話などの伝統文化の継承。

(3) 地域では、外国人を会合や行事へ積極的に受け入れ、国際港小名浜や新設された福島空港の場を活用して、幅広い国際感覚を養うとともに日本人としての自覚と責任を育てる。

○ 生涯学習教室、市民大学講座市民主張大会への招へい。

3 環境浄化への積極的な取り組み側

(1) 地域の子供たちは、地域で育てるという気構えで住民が一体となり、子供たちを俗悪な環境から守るように努める。

(2) 不良ポスターの撤去、不良図書不良ビデオの自粛要請など、青少年の健全育成のための環境浄化を積極的に関係機関へ働きかけるように努める。

○ ビデオレンタルショップ、書店、ゲームセンターへ好ましくないものの販売自粛、非行の芽となるたまり場の除去、不良番組の追放、地域美化運動などの環境浄化運動。

 

道徳振興会議を終えて

会長 里見庫男

平成四年度福島県道徳教育振興会議を開催するに当たって、私達が腐心した点は、これまでの提言を継続的に受け止めながら、”国際化、情報化、価値観の多様化などの社会の変化に対応する道徳教育の推進”や”学校週五日制への対応”という時代の要請をどう受け止め、今年度の提言にどのようにまとめるかということでありました。

おかげをもちまして、各委員の郷土を愛する心や道徳教育に対する情熱により、密度の濃い活発な話し合いが持たれ、学校家庭、地域社会でそれぞれ取り組むべき指針と具体的な内容をまとめることができましたことは、誠に喜ばしい限りであります。(中略)

この会議を通して、道徳教育振興のために、学校、家庭、地域社会のそれぞれの果たすべき役割が一層明確にされ、学校や各種団体において道徳的な実践の機会を増やすこと、親自身が子供の鏡となるような生活をすること、さらには、環境浄化や豊かな街づくりに向けて、地域が一体となり取り組むことなどが重要な課題として確認されました。

 

 

 


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