教育福島0170号(1993年(H05)04月)-028page
は…」。「ハルジョン。」「ピンポーン。」等と野草クイズも楽しむ様になり、ヘビイチゴ、キショウブなど次々とその名前を当て、親子レクに同行のお母さんたちをびっくりさせる。
好きな野草をスケッチする楽しみも覚えた。S子の描いた絵の下には「校ていでやそうをさがしました。きつねのぼたんをとりました。くりのいがみたいなみがついていました。おもしろい名まえだとおもいました。」と書かれていた。ここまでくると、今まで気づかなかった野草の特徴が見えてくる様になり、野草への愛着が増していった。「四季の野草」との出合い、自然教室でのさまざまな活動が、自然とふれ合うことのすばらしさを教えてくれた。
これからも、子供たちと共に身近な自然に足を運び、自然に対する素直な感動を持つことと、自然の恵みの中で生きている安らぎを大事にしていきたいと思っている。
(泉崎村立泉崎第一小学校教諭)
失敗
堀川幸一
糸を落とした海底は、どんな地形か、砂地か、藻は多いか。海水の流れやカレイやハゼ、アイナメなどの浦魚は、どのような動きをしているのかなどと考えながら釣りをするのが好きで、小学生のころからの何よりの楽しみである。
理科室に、近海に見られる魚を飼い始めたのは、昨年の九月だった。準備に当たり、水産試験場に行って聞いたり、魚に詳しい行きつけのたばこ屋の主人に相談したり、生けすを使っていつも新鮮な魚を食べさせてくれる割烹の若旦那に装置を見せてもらったりした。話を総合すると、水温を一定にすることや、きれいな海水を循環させることがポイントのようである。いろいろと考えた末に、循環装置を使い、日の当たらない廊下で育てることにした。定温装置を取り付けない代わりに、定期的に海水を交換することにした。
取り付けた翌日から早速子供たちに反応が見られた。休み時間ごとに水槽を取り巻く子供たちが増えてきた。餌のイソメを持ってくる子など予想外の反応に私自身が驚いた。その後、子供たちの観察によると、カレイの体が変色することやアイナメには縄張りがあることなどが分かった。また、水槽の壁面で育つ海草について鋼べることもできた。ある子供に「鯊(はぜ)」という漢字を見せられ、私は分からず「まいった。」と言わされることもあった。
循環装置を使っていることもあり、海水の蒸発する量が結構多い。海水を補充するだけでは、塩分が濃くなることも考えられるので、海水は三週間ごとに交換することにした。簡単な装置にもかかわらず、三月の上旬まで、どの魚もみな元気だった。
ところが、図書室の書庫を移動する際、誤って水槽が壊れてしまった。担任の先生から連絡を受けて急いで行ってみると、子供たちにはけががなかったのでほっとした。魚はとりあえず真水に入れておき、放課後、海水に入れたがどれもだめだった。
毎日世話をしていた子供たちに、落胆の色は隠せなかった。壊した子供たちは私に謝りに来たが、彼たちには何の罪もない。廊下に水槽を置いた私が悪いのである。子供がけがをしていたらと考えるとぞっとする。子供たちには本当に悪いことをしてしまったと思う。
「また釣りに行くの?」という家族の声をよそに、この失敗を生かしてまた海の魚を飼い、魚に興味を示して目を輝かせる子供たちの表情を見てみたいなと思うこのごろである。
(原町市立原町第二小学校教諭)
子供だからこそ
青木清子
春休み最後の週末、子供たちにねだられ家族で上野の国立博物館、科学博物館、西洋美術館めぐりを楽しんできました。どの館内もにぎわっていましたが、特に科学博物館は小学生連れの家族で盛況を見せていました。私達も初日の二時間では足りず次の日もまる一日を費やしたほどでした。その中に、あの久ノ浜で発見されたフタバスズキリュウが、どんなふうに発見されたのかを最新のメカニズムや映像音響を使って動く自然史展示で、物語風に子供向けに