教育福島0170号(1993年(H05)04月)-033page

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2 よさを生かし、伸長する支援の在り方

児童生徒のよさを見いだしたら、そのよさを生かし、伸長しなければならない。小学五年生の例を使って、よさをどのように見いだし、そのよさを伸長するためにどのような支援をしたのか、その一部を紹介する。

(1) S男の生活の様子

S男は、五年生にしては言動が幼いためからかわれやすい。そのため、何事にも消極的である。

(2) 教師の支援方針

S男に適宜、激励や賞賛を与え、学級内における存在感を自他に自覚させ、自信の持てる行動ができるようにする。

(3) 教師の具体的支援

「聞いてねカード」に自分のよいところを書かせたら、自分の悪いところだけが書いてあった。そこで、担任は「相手の心のいたみが分かってあげられるところ、友だちをゆるしてあげられるところや、運動をがんばるところがS君のすばらしいところです。」と聞いてねカードに記入し、S男に自分のよさに目を向けさせた。また、「レーダーグラフ」の結果から、友達は、S男には、「創造性・協調性・変化への対応・感受性・センス」などによさがあると認めていることを告げ、自分のよさに気付かせた。

 

(図-2聞いてねカード)

(図-3 レーダーグラフ)

 

(図-3 レーダーグラフ)

w級内でも「振り返りカード」などで、S男のよさや努力を紹介し大いにほめた。

 

S男が授業中に挙手をした時は、優先的に指名し話の内容に共感や賞賛を与えたり、学習でつまずいている場合は、アドバイスや励ましをし続けた。機会あるごとに学級内でも「振り返りカード」などで、S男のよさや努力を紹介し大いにほめた。

また、授業中や学校生活中での頑張りや新たに見いだしたS男のよさを、「学級通信-いいこと見つけたシリーズ」で家庭に知らせ保護者にもS男のよさを分かってもらい、S男が自信を持てるように心がけた。

その結果、日ごとにS男の生活に活気が加わるとともに、学習面にも意欲的に取り組む姿が多くなってきた。以上は実践内容の一部である。

3 個を生かす学年・学級経営アイディア集 一日編

個を生かす学級経営は、具体的にどうするのか、という見地から一日の活動に合わせて具体的な事例をまとめたものである。

 

個を生かす学年・学級経営アイディア集 1日編

 

 

 

 


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