教育福島0171号(1993年(H05)06月)-011page

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学習を含む諸活動においてお自己の考えをしっかり持って、主体的、積極的に行動する姿は、まだ不十分である。どちらかといえば受け身的な態度が多く感じられ、自ら目的意識をもって実行しようとする意欲に欠ける面が見られる。

したがって、常に将来に対する展望をもち、他に依存することなく自分の判断に基づいて決断し、行動できる生徒の育成が必要である。

また、進んで自己を表現し、自己の権利を主張するとともに、自己の義務を積極的に果たしていく自主性を育成していかなければならないと考え、本主題を設定した。

 

二 研究の見通し

 

「人間は常に他者とのかかわりの中で生きており、その中でそれぞれの個性を発揮することができる。そして、その個性が他に認められて、はじめて自己の存在感を見い出し、生き生きと活動できる」という考えに基づき、集団の中で自己のあるがままの姿を見つめさせ、目的意識を持たせながら、様々な集団の中でどのようにかかわっていけばよいかを考えさせると同時に、自他を認める集団づくりをしていけば、自主的な態度が育つであろうとの見通しを立てた。

そのために、研究主題に迫る手立てとして二部会五領域の研究部会を設置し、集団指導に重点を置いて、全職員で研究実践を深めながら推進していくことにした。

(研究推進構想図 資料1参照)

 

資料1 研究推進構想図

 

三 研究実践の概要

 

三 研究実践の概要

 

1 学級集団研究部

 

A領域(教科指導領域)

1) 研究のねらい

学級集団を通して、望ましい学習習慣を身につけさせながら、生徒一人一人に互いに認め合い、励まし合う態度を育成する。

2)実践内容

ア、基礎的・基本的内容を身につけさせ、生徒一人一人の個性を生かした授業を展開する。

・小学校から高校までの教育の関連を密にして、内容の一貫性を図った。

・教科の目標・内容と生徒の実態を検討し、一人一人の生徒に身につけさせるべき基礎的・基本的内容を明確にした。

・生徒が自ら考え、判断し、表現することに重点を置いて授業を展開するために、指導過程の中に、生徒が主体的に活動できる四つの場(見通しの場、思考の場、判断の場、表現の場)を設定し、生徒主体の授業を工夫した。

・話し合い、協力し合う学習を通して、認め合い、励まし合い、称賛し合う雰囲気づくりに努めた。

・生徒が自分の考えを発表する場、活動が生かされる場、行動が役立つ場を設定することで、認められていると実感できる学習場面を工夫した。

・自己評価を取り入れた授業を工夫した。

 

 

 


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