教育福島0172号(1993年(H05)07月)-013page

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しい。

(3) 各教科、道徳、特別活動の目標への具現化

重点目標を具現化するために、三領域への位置付けと関連性の持たせ方は、各学校の目標達成のため極めて重要であるので、特に次の点に留意したい。

ア 教育課程編成は、重点目標達成の観点から行うこと

イ 具体化した目標を、各教科等の単元や題材の学習活動に位置付けること

ウ 教科等で努力することを年度当初に児童生徒と話し合い確認するとともに評価表等を作成すること

エ 授業案や週案に目標とのかかわりから実践事項を記入し、意図的に取り組むこと

 

3 具現化のための組織体制

教育目標達成の基本条件は、教職員の役割を明確にし、各人の持つ能力や特性を存分に発揮できるようにするとともに、十分に共通理解を図って協力体制を確立することであり、そのためには次のような点に配慮することが大切である。

ア 学校の実情に即した機能的な組織を編成すること

イ 各人の職務内容を明確にし、責任体制を整えること

ウ 適材適所の配置に心がけること

エ 委員会や各部会等を定期的に開催し、到達度や課題を明確にすること

オ 家庭や地域との連携を密にし、協力実践の体制をつくること

 

4 教育目標具現化と評価

児童生徒の目標達成状況を絶えず評価し、指導法を改善して目標に迫る相乗的効果を目指すために、次の点を大切にしたい。

ア 教師、児童生徒の反省や評価を学校経営に生かす配慮をすること

イ 定期的に反省し、成果や課題を全職員で確認すること

ウ 学期末の評価の際は、評価の対象、観点、基準、方法等を的確に定め、実践課題を明確にすること

エ 週、月の努力事項の評価を大切にし、評価を生かすよう指導援助に努めること

オ 保護者や地域の要望を可能な限り生かすよう努力すること

 

二 自校の教育課題と特色ある教育課程

 

各学校では、全教職員の共通理解のもとに自校において取り組むべき教育課題を明確にし、その教育課程を編成しなければならない。そうすることが学習指導要領の趣旨の実現を目指す教育活動の第一歩を踏み出すことになるからである。

1 自校の教育課題の明確化

各学校では、次の点について評価し、反省を加えて改善点を明らかにしておく必要がある。

(1)学校経営の評価・反省

○教育目標・重点目標の達成状況

○教育課程の実施状況(指導計画・目標・内容・時数・時期等)

○教職員の共通理解と共通実践の状況

○学校と家庭及び地域との連携・協力の状況

(2) 学習指導の評価・反省

○基礎・基本の明確化と定着状況

○内発的な学習意欲の喚起を目指した授業の実施状況

○個に応じた指導の実践状況

○主体的な学習態度の育成を目指した実践状況

(3) 生徒指導の機能を生かした教育活動についての評価・反省

○自己決定の場を設定し、成就感・存在感が味わえる授業実践状況

○受容的、支持的な人間関係の育成を目指した教育活動の実践状況(共感的態度の育成)

なお、各学校においては、学習指導要領で重視されている心豊かな人間の育成、基礎・基本の徹底、個性教育の推進、自己教育力の育成、文化と伝統の尊重と国際理解の推進、情報化への対応とともに県教育委員会の重点施策をも十分考慮して、自校の教育課題を明らかにしておく必要がある。

 

2 特色ある教育課程の編成

特色ある教育課程とは、「自校の教育課題解決を目指す創造的な学校経営の教育計画」をいう。特色は、自校の教育課題解決の営みの中に表出するものであり、他にない特別の教育計画や活動だけを意味するものではない。特色ある教育課程を編成する際の留意点は、次の通りである。

(1) 自校の教育課題について全職員が共通理解し、解決の方針、見通し、手だて等を明確にする。

(2) 自校の指導計画を作成する。

ア 児童生徒の実態を的確にとらえる。

イ 児童生徒の実態に合った指導計画を作成する。

ウ 校長のリーダーシップのもとに自校化推進のための体制をつくる。

(3) 地域素材の教材化に努め、地域の特性を生かすよう配慮する。

 

 

 


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