教育福島0172号(1993年(H05)07月)-014page

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ア 地域の施設・文化財・動植物、地形等について調査分析する。

イ 地域に住む人々の考え等を学校の教育活動に取り入れる。

 

3 教育課程の実施と評価・改善

(1) 教育課程実施上の留意点

ア指導計画に基づき効果的に実施する。

○ねらいを明確にした授業の展開

○週案や時案を作成しての実践と反省の累積による授業の改善

イ 授業時数の確保に努める。

ウ 進度や未習内容をチェックし、実施する。

(2) 教育課程の評価と改善

教育課程の評価は、学校規模等によって具体的方法は異なるが、基本的にはねらい・時期・方法を明確にして評価し、各学校の創意・工夫を加えて改善していく必要がある。

<評価に当たっての留意点>

ア 全教職員が協力して、組織的に進める。

イ 計画的に推進する。

○手順や日程の明示

○年間計画への位置付け

○共通理解の場の設定

ウ より具体的に評価できるように評価内容を設定する。

〈教育課程改善のための手だて〉

ア 評価結果を分析する。

イ 改善の視点を考察し、重点化する。

ウ 今年度の自校の教育課題との関係を踏まえ、次年度の教育課程編成に十分役立つようにする。

○早期に改善すべき事項を明確にするなど順序性を検討する。

○具体的に何をどうするのか等を明らかにし、改善の方策を立てる。

〈改善のための留意点>

ア 教育課程の改善計画を学校経営の中に明確に位置付ける。

イ 教育課程改善のための組織を工夫し機能させる。

ウ 教育課程の評価に基づいて改善の方針を立てる。

エ 教育課程の改善事項を全職員で検討し、改善のための具体案を作成する。

特に中学校においては、学習指導要領の全面実施を迎え、選択教科履修幅の拡大や個に応じた指導方法の工夫・改善への本格的な取り組みが期待され、これらの課題に向けて教職員の特性や力量を統合して組織的、積極的に努力することが必要である。

 

三 基礎・基本の重視と個性を生かした授業の改善

 

1 基礎・基本のとらえ方

 

基礎的・基本的内容を、これまでは、教育する側に立ち、指導する必要がある一定の知識や技能を中心としたものであるととらえる傾向が強かったが、これからは、子供の側に立ち、子供が身に付ける必要がある資質や能力としてとらえる必要がある。それは、関心・意欲・態度、思考力、判断力、表現力などの能力、技能、知識・理解などの資質や能力を指す。

したがって、これからの教育においては、基礎的・基本的な内容は、新しい学力観に立ち、学習指導要領に示されている「目標」の体系の中に統合された「内容」としてとらえ、子供一人一人のその後の学習や生活に生きて働く力、すなわち自己実現に生きて働く力となったとき、はじめて意味をもつものと考える必要がある。

具体的には、次のようにとらえることができる。

ア 学習指導要領に示す各教科・領域の目標及び内容

イ 各教科・領域の内容で、特に言語と数に関する内容(読み・書き計算)

ウ 学習の適時性を考え、その学年で身に付けておかなければ次の学年での学習に支障があると考えられる内容

エ 学習を展開するのに必要な辞典、地図、資料等の活用の仕方、用具やノートの使い方等の学習方法や技術

オ 徳育の基礎となる基本的な生活習慣や自己抑制心に裏付けられた自主的・自発的態度

これらは、全体として思考力、判断力、表現力、創造力の育成に連がらなければならず、日々の授業を通して具体化することが大切である。

 

2 基礎・基本を明確にする手順

 

(1) 学習指導要領から

学習指導要領に示されている各教科の目標・内容及び内容の取り扱いを十分理解し、系統性や発展性、他教科との関連性等を踏まえ、学年で押さえるべき知識、技能、能力、態度等を明確にする。

(2) 児童生徒の実態把握から

児童生徒は関心、意欲、態度、知識、技能、能力等がそれぞれ異なっている。したがって、基礎的、基本

 

 

 


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