教育福島0172号(1993年(H05)07月)-017page
身との対話を主体的に行えるよう工夫すること
五 特別活動の充実
これからの教育においては、児童生徒が自己実現を目指し、主体的・創造的に生きる力を育てることが求められている。
そのため、特別活動においても、新しい学力観に立って指導を進めることが大切である。
したがって、これからの特別活動においては、これまで以上に、児童生徒のよさや可能性に着目し、一人一人の課題意識を高め、活動を温かく見守り、主体的な活動や体験的な活動を促して、児童生徒の自主的、実践的な態度が一層伸長するように支援していくことが大切である。
1 特別活動において身に付けることができる資質や能力を明らかにした指導の展開
これからの教育においては、一人一人の児童生徒がさまざまなよさや可能性を内に秘め、よりよく生きたいという願いを持ち、そのよさや可能性を発揮しながら豊かな自己実現を目指しているという観点に立って児童生徒の特性をとらえ、指導に当たることが求められている。
したがって、これからの特別活動の計画と指導に当たっては、特別活動において身に付けることができる資質や能力を明らかにして指導の充実を図ることが大切である。
特別活動では、次のものを身に付けるべき資質や能力と押さえ、各内容ごとの目標を明確にして指導の充実を図ることが大切である。
〈小学校の例〉
○ 学校生活の向上やよりよい生活を目指し、身の回りの諸問題に関心をもち、友人と協力して望ましい行動をしようとする。(関心・意欲・態度)
○ 集団における自分の役割を考え身の回りの諸問題の解決を目指して判断している。(思考・判断)
○ 話し合いや集会など友達と活動する過程において、集団活動を進めるために必要な技能を身につけている。(表現・技能)
○ 生活や学習への適応、健康で安全な生活、集団活動の進め方などに関する基礎的に事項を理解している。(知識・理解)
これからの特別活動の指導に当たっては、これらの資質や能力を育成するという新しい学力観に立ち、児童生徒一人一人が自らの力で身に付けることができるよう適切に支援していくことが大切である。
2 児童生徒のよさを見取り、生かす指導の充実
これからの教育においては、一人一人の児童生徒が個性を発揮し、人間性豊かに成長するよう支援することが求められている。
このためには、一人一人の児童生徒のよさや可能性を最大限に生かし伸ばし、自己実現を図る指導を充実することが必要である。
したがって、特別活動の指導においても、一人一人の児童生徒のもつよさや長所に着目し、そのよさや長所を積極的に見取り、更に伸ばすことに努めることが大切である。
よさとは児童生徒一人一人が持つ資質や能力などの傾向性のことで、よさは、関心、意欲、思考、判断、技能などに表れ、児童生徒が心豊かに主体的、創造的に生きるための力である。
特別活動におけるさまざまな集団活動の過程において発揮する一人一人の児童生徒のよさや可能性を、教師が積極的にとらえて生かし、伸ばすよう支援していくことが大切である。
3 活動を児童生徒に委ね、温かく見守る指導の充実
これからの教育においては児童生徒主体の学習が強く期待されている。
したがって、集団活動を特質とする特別活動の指導においても、児童生徒の思いや願いを生かした主体的な活動を重視し、一人一人の児童生徒の実態に応じて適切に支援するとともに、児童生徒の活動の過程を温かく見守り、支援する姿勢を基本に据えて指導することが大切である。
児童生徒は生来、活動的で、友達と協力して活動することを好むものである。
したがって、特別活動の指導においては、友達と協力して活動することの意義を知らせるとともに、児童生徒に委ねることのできない内容を明らかにして、それ以外のことは、多少の失敗が予想されても干渉を控え、活動を温かく見守り、励まし、児童生徒が友達と支え合い、学び合いながら協力して主体的に活動することの楽しさを経験することが大切である。
それゆえ、特別活動の指導においては、児童生徒が自分で考え、判断し、試みるなどの場や機会を増やすとともに、活動の展開に際しては児