教育福島0172号(1993年(H05)07月)-018page

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童生徒の発意、発想をできるだけ尊重し、児童生徒による主体的な活動が展開されるよう適切に支援することが大切である。

 

六 生徒指導の充実

 

これからの教育においては、児童生徒一人一人が、その個性を発揮しながら、豊かな自己実現を図ることが求められている。

それゆえ、一人一人の児童生徒の個性の伸長を図り、社会的な資質や能力・態度を育成し、将来において社会的に自己実現ができるような資質を態度を形成していくための指導援助である生徒指導は従来にも増して重視される。

そのためには、生徒指導の主要な機能である「自己決定の場を与えること」「自己存在感を与えること」「人間的ふれあいを基盤にすること」の三つの機能を各教科、道徳、特別活動、その他など、学校のすべての活動に機能させていくことが大切である。

 

1 共感的な人間関係の育成

 

児童生徒は学校生活において、集団生活を通して社会的体験を深め、様々な人間関係の中で社会性を養い自己を高めている。

児童生徒は親しい友人や安心できる人との関係では、あるがままに自己を表現し、生き生きと自己発揮している。

それゆえ、児童生徒相互に、そして教師と児童生徒間に受容的で共感的な人間関係を育てていくことが大切である。

そのためには、児童生徒相互が喜びを共感でき、相互理解を深めることのできる活動や体験を積極的に取り入れて、児童生徒相互の人間関係を深め、学級の雰囲気を心理的に安定感のある支持的風土に作り上げていくことが大切である。

学校では、日頃から学校や学級内の児童生徒間の人間関係に目を配り好ましい人間関係を醸成して、一人一人の児童生徒が集団の中で生き生きと活動できるように支援することが大切である。

 

2 真の児童生徒理解に立った指導の展開

 

各学校では児童生徒の健全な発達を目指して日々努力をしている。しかしながら、教師の児童生徒理解が不十分なために、指導に適切さを欠いたり、学校としての指導体制に行き違いがあったりして、児童生徒の自己実現が疎外されていることも少なくない。

児童生徒理解は指導援助の前提であり、どれだけ深い理解を持てるかが適切な支援をすすめる鍵である。

真の児童生徒理解を進めるためには、児童生徒とのふれあいを基盤にし、児童生徒は絶えず成長し発達する存在であることを認識し、児童生徒のよさを積極的に見い出す視点で理解を進めることが大切である。

また、何のために児童生徒理解が必要なのか目的をはっきりさせて理解を進めることが大切である。

とりわけ、児童生徒理解においては、発達に伴う児童生徒の変化や特徴、また、その時期の教育的な課題を理解するとともに、その児童生徒が自分自身や自分の周囲をどう受け止めているのかという自他の受容の程度を理解することが大切である。

学校では、児童生徒に共感的な理解をし、児童生徒の立場に立って人間味のある指導・援助が行えるよう教師自身が自らの指導の在り方や指導体制について、常に改善充実を図っていくことが大切である。

 

3 児童生徒の立場に立った教育相談の推進

 

成長過程にある児童生徒の多くは友人関係や学習などについてさまざまな悩みや不安をかかえて学校生活を送っていることが多い。

それゆえ、児童生徒の悩みや不安を除去し、児童生徒が意欲を持って自己発揮できるように教育相談を進めることが大切である。

学校における教育相談は、特別な心理療法などを行うことに意味があるのではなく、一人一人の児童生徒をありのままに受け止め、そのよさや積極面を評価し理解して児童生徒がそれを伸ばしていくことができるように支援することである。

このような教育相談が行われる時、児童生徒の悩みの解決や問題行動の早期発見に大きな役割を果たすことになる。

特に、児童生徒に最も身近で日頃から触れ合いやかかわり合いをもつ機会の多い学級担任の教師の教育相談に果たす役割は大きく、様々な教育活動のなかで、状況に応じた多様な教育相談活動を柔軟に展開していくことが大切である。

 

4 望ましい学級集団の育成

 

一人一人の児童生徒が楽しい学校生活を送ることができるようによりよい学級集団を育てることは児童生徒の自己実現を図る上で極めて重要である。

児童生徒が学級のなかで余計な不

 

 

 


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