教育福島0172号(1993年(H05)07月)-024page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

な一時間であり、過ぎ去った時間は永久にかえってこない、ということを肝に銘じなければなりません。

教育活動のいろいろな場面で、生徒によって考えさせられたり、悩んだりすることがたびたびです。そんな時、やさしく暖かく励まして下さる同学年の先生方や指導に当たって下さる先生の言葉を聞き、また具体的な方策等を目にした時、本当に感謝せずにはいられません。

校歌の一番に、

くれないの

朝日がおどる太平洋

もえる希望をうつす窓

真理を究めて

われらが行く手に

光はいつもあふれている

とあります。

この生徒達を光の中に導くために、諸先輩の教えを謙虚に受け止め、自己を鍛え、信頼される教師に一日も早くなれるよう努力していきたいと思います。そして、十年後、二十年後、この職業を選んで本当によかったと思える自分でありたいと思います。

(いわき市立植田中学校教諭)

 

フェンシングの指導を通して

稲村良隆

 

「先生、やったよ!私勝っちゃった!」

 

「先生、やったよ!私勝っちゃった!」

目を輝かせ、小躍りして駆け寄って来たT子。東北少年少女フェンシング大会の準決勝の試合を前にして、不安と緊張が入り混じった表情のT子に、「勝ち負けは気にしないで、練習のつもりでやればいいんだよ。練習の時は、あんなにうまくできたじゃないか。がんばれ!」

私の目を不安気に見つめていたT子の肩を軽くポンとたたいて、試合に送り出したその五分後である。

T子の所属するいわきフェンシングスポーツ少年団との出会いは、二年前、私が指導者としていわきへ来てからである。今、二年前の自分を振り返ってみると、フェンシングの指導は、自分が高校の部活動で経験したように、とにかく基礎的な技術や知識をそのまま教え、ただがむしゃらに指導すれば、競技力は向上するだろう、なんとかなるだろう…。一人一人の子供の気持ちや考え方、運動能力の差等を無視した、実に安易で一方的な気持ちを持っていた。

いざ指導にあたってみると、全体の雰囲気は暗く、練習に対する意欲や活気が乏しいのである。T子もまた、その一人であった。この現状を打破するには…、子供達の意欲を高め、集中力をつけるには…教師として、指導者としての共通の悩みと課題を抱えたのである。

そんなある日、初任者研修の指導教員のI先生が、「子供の意欲を高めるには、どんなに小さなことでも子供の向上や努力をほめてやること。そして、発問や指示に対してどんな反応をし、何を求めているかを把握すること。」と、笑顔で話してくれた。

その日の定期練習の時、普段から練習意欲が乏しいT子に、「T子ちゃん、今のアタックとても良かったよ。それに、フットワークがとても良くなった。やればできるじゃないか。」と、良い所を見つけてほめてあげたのである。声をかけられたT子が、嬉しそうに笑顔で汗を拭った。次回の練習から、T子は人が変わったように、意欲的に取り組むようになり、指導者としてさらに自信を深めたように思う。

苦しい練習に耐え、「目指せ!東北大会、決勝進出」の目標を達成した喜びが私の心に伝わり、フェンシングの指導をしていて本当によかったと思う。あの子供たちであれば、国体での活躍は間違いないと繰り返し心に言い聞かせている昨今である。

(いわき市立中央台北小学校教諭)

 

創る喜び

野口雄子

 

るところがある。もちろん「名曲をつくるぞー。」と意気込む生徒もいるが…。

 

「できなぁい。」「難しい。」「あぁ、あ。」などの言葉が必ず出てくる創作の時間。皆が皆そうではないが、どの学年にも当てはまるところがある。もちろん「名曲をつくるぞー。」と意気込む生徒もいるが…。

そこで、本校にあるコンピュータ二十台と作曲用ソフトを使い、曲作りに挑戦させてみようと考えた。しかし教える側の私はほとんどコンピュータの操作がわからない。「さて、どうしたものか。」と思案している

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。