教育福島0172号(1993年(H05)07月)-049page
博物館ノート
原山一号墳出土埴輪
原山一号墳は西白河郡泉崎村大字太田川に位置する前方後円墳である。昭和五十六年秋、福島県立博物館建設準備の一環として行われた学術調査の結果、多数の埴輪が出土したことで一躍注目された。古墳は大きく破壊されており、遺体埋葬部分も残っていなかったが、全長二十メートル前後と推定される。出土土器と埴輪から古墳時代中期後半、西暦五世紀後半に築造されたことが判明している。
出土した埴輪には大きく分けて円筒埴輪と形象埴輪がある。ほとんどが周囲の溝に転落した状態で発見されたが、本来、円筒埴輪は古墳の裾を囲むように、形象埴輪はくびれ部など特別の位置に集中して立てられていた。
出土埴輪の最大の特徴は、その種類豊富な形象埴輪である。人物埴輪と動物埴輪が確認
されている。人物は十一体分あり、形が分かれるものに力士、楯を持つ人、盛装した女子、踊る男子、男子像、琴を弾く人がある。それぞれに、警備、祭祀、奏楽の役割が与えられていたと考えられる。動物には鳥と飾りをつけた馬が確認されている。
原山一号墳がつくられた頃から、さまざまな人物埴輪が全国各地で盛んに古墳に立て並べられ始める。埴
輪の代名詞的存在の人物埴輪だが、これらは埴輪の中で比較的新しい時期に登場するものである。原山一号墳出土埴輪は、この頃行われた人物埴輪による古墳のまつりをうかがうため、多くの情報を与えてくれる重要な資料といえる。
▲原山一号墳出土埴輪力士像(泉崎村所有)
▲原山一号墳出土形象埴輪集合(発掘分)