教育福島0174号(1993年(H05)10月)-022page

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無い場合や食べ物の好みが変わる。

○大腸癌 血便が認められる。

○肺癌 咳、啖が長く続くときや、血啖が認められる場合。

○乳癌 触診してしこりがある場合や乳首から分泌物がある場合。 ヽ

○子宮癌 おりものがあったり、不正出血がある場合。

○賢臓・膀胱癌 血尿がある場合。

○前立腺癌 頻尿、残尿感があり尿線が細くなる。

○皮膚癌 いぼ、ほくろが大きくなったり、色が変わった場合。

癌は初期段階では、自覚症状はほとんどありません。それゆえ年に一度、あるいは半年に一度定期検診を受け、早期発見に心掛けることが大切です。

一方初期症状に気づいた時は勇気を出して、一度は専門医の診断を受ける必要があります。

癌を予防するには、定期的に検診を受け、早期発見、早期治療に努める以外にないと思います。

「脳血管障害について」

脳血管障害は、脳の血管が破れて出血する脳出血と脳の血管が詰る脳硬塞の二つに大別されます。

脳出血は、脳内の血管が破れる脳出血と、くも膜と軟膜の間に出血がおこるくも膜下出血に分類されます。

くも膜下出血は、若い人では、脳動脈奇形、40歳以上では、脳動脈層が原因となっていることが多いようです。

脳出血の原因のほとんどは高血圧によるものです。

脳出血の場合には、急激に麻痺が起こり、意識がなくなることがよくあります。これらの症状は、日中の活動時(仕事や食事中、またはテレビを見ているときなど)に比較的よく起こります。

脳硬塞は、脳動脈硬化で血管の内側が狭くなり、そこへ血のかたまり(血栓)ができて血液の流れがせき止められると脳の一部が壊れて、半身麻痺などの症状が現れる病気(脳軟化症)と、心臓の病気(心房細動など)のため心房内に生じた小さい血栓が心臓の壁からはがれて脳の血管まで流れつき、血管がつまって起こる脳塞栓症に分類されます。

脳硬塞の症状は脳出血にくらべ穏やかで、しばしば夜間の睡眠中に起こります。脳硬塞の場合は、まえぶれものと言える軽い発作(一過性脳虚血発作)が比較的多く見られます。

脳血管障害も突然死の原因となります。統計的には突然死の三分の一は脳血管障害が占めています。

 

脳血管障害における突然死の前兆として、東邦大学の吉井教授は、次のような症状をあげています。

一、非常に不愉快な頭痛、眼病を繰り返す。

二、ひどい首の痛み・こり・肩こりを繰り返す。

三、一時的な手足の麻痺、しびれ。

四、一時的な言語障害(ろれつが回らない、口がきけない、相手の言う事が分からない)

五、一時的な眼の症状(視野が狭くなる、全体的に暗くなる、二重視など)

六、めまい、耳なり。

七、体がよろめく、歩きにくい。

八、失神発作

九、けいれん

このような症状があった場合は、速やかに精密検査を受けてほしいと思います。

突然死と心臓病は、密接な関係にあります。

突然死とは、殺人、自殺、事故死、薬物中毒死などを除く、発病から二四時間以内の予期せぬ死と定義づけられています。

突然死の頻度は、自然死の10%〜30%と言われており、欧米では狭心症、心筋硬塞で代表される虚血性心臓病が突然死の60%を占めています。

 

わが国の突然死も欧米同様に60%〜70%が心臓病で、残りは脳血管障害や原因不明のポックリ病です。突然死は、働き盛りの人達を突然襲うことになり、大黒柱を失う家族はもちろんのこと、職場や地域に及ぼす影響もはかり知れません。また、児童・生徒の突然死も年間に一〇〇件以上報告されています。

次に、今日のテーマである成人を襲う突然死を招く心臓病についてお話します。

「突然死を招く心臓病について」

突然死を招く心臓病の代表的な疾患としては、虚血性心臓病、心筋症、致命的な不整脈(心室細動、完全房室ブロックなど)などがあります。

成人の突然死の65%〜80%は、虚血性心臓病が関係しています。

虚血性心臓病とは、心臓の筋肉に酸素を供給している冠動脈に動脈硬化が生じ、それが進展して狭窄を生じます。こうした冠動脈の動脈硬化や冠動脈のケイレン発作により、心筋の酸素の需要と供給のアンバランスが生じ(冠不全)、その結果胸が痛んだり、胸が圧迫されたり、つまる症状を訴える病気をいいます。

虚血性心臓病には、 一過性の冠不全状態で起こる狭心症と、冠動脈が閉塞した結果生じる心筋硬塞に大別されます。

 

 

 


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