教育福島0174号(1993年(H05)10月)-030page

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働きかけた。精神的な成長が認められるまでには数ヶ月を要したが、毎日登校できるようになっていった。

今では、元気に高校生活を送っている。感受性が強く傷つき易い生徒であったが、それだけに、思いやりの深い、優しい心をもった人へと成長してくれるに違いない。

どんな生徒でも、自力解決の力を秘めている。その力を信じて適切な援助を加えれば、誰でも確実に成長する。しかし、大きな変化を期待する余り、時間のかかる小さな変化を見落すことが多い。また、すべての生徒を同じ視点から見てしまい、多くを望むがために自力解決の芽を摘む結果ともなる。保護者が学校に寄せる思いに応え、生徒を援助することの難しさが焦りや無理を生じさせていたように思われてならない。

夏に生い茂る草も、一日での成長を認めるのは難しい。しかし、日々確実に成長している。生徒も同様である。その小さな変化の様相を目の当りにした経験をもとに、より多くの生徒の小さな成長に気づくことができる教師になりたいと思っている。歩幅は小さくとも、これこそが私自身の「漸進」なのだと言いきかせながら……。

(会津若松市立大戸中学校教諭)

 

「通級による指導」始まる

「通級による指導」が、学校教育法施行規則の一部改正により平成五年四月一日から制度化されました。

 

一、通級による指導の対象

「通級による指導」とは、小学校と中学校の通常の学級に在籍している比較的軽度の言語障害、情緒障害、弱視、難聴などの障害のある児童生徒が対象となります。従来は、通常の学級においてその障害に留意して指導を受けたり、それぞれの障害の特殊学級で指導を受けていました。

対象となる児童生徒は、通常の学級でおおよその指導を受けながら、心身の障害に応じた特別の指導を「通級指導教室」という特別の指導の場で受けるという新しい形の教育です。

精神薄弱については発達の遅れや特性から、小集団において発達段階に応じた特別な教育課程・指導法により指導することが効果的ということで、対象になっておりません。

 

二、指導時間と指導内容

心身の障害に応じた特別の指導は、週一単位時間から三単位時間程度行います。指導の内容は、盲・聾・養護学校の学習指導要領で示されている養護・訓練に当たります。

また、特に必要があるときは、心身の障害の状態に応じて各教科の内容を補充するための指導(各教科の補充指導)を、前述した心身の障害に応じた特別の指導を含め週八単位時間以内で行うことができます。

 

三、他校通級

在籍する小学校や中学校に通級指導教室がない場合は、それがある小学校や中学校に行って指導を受けることができます。これを他校通級といいます。この場合、在籍する学校と通級指導教室のある学校で緊密な連絡をとる必要があります。

指導の時間は他校へ移動する関係で、放課後になることがどうしても多くなると思われます。

指導時間数や時間帯については、学校や地域、児童生徒の実態、指導内容等を勘案しながら、あまり偏ったり児童生徒の負担加重にならないよう十分な配慮をする必要があります。

 

なお、詳細は養護教育課(〇二四五−二一−七七八〇)へ問い合わせ願います。

 

県教職員住宅が完成

このほど福島市岡島に、福島県教職員(単身用)住宅二十四戸(RC構造・4階建)が完成しました。

この住宅は、独身者及び単身赴任者対象の完全独立アパートタイプの住宅で、県教育委員会としては、はじめてのものです。入居者が快適な生活がおくれるよう各所に細かな配慮がなされております。

<建物の概要>

lDK(居室は、八畳に板ダタミ付)

バルコニー(南北両面)・各戸に物置・駐車場・風呂釜給湯タイプ。(入居対象は、県北地区県教職員。

詳細は、県北教育事務所へ)

 

 

 

 

 


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