教育福島0174号(1993年(H05)10月)-047page

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教育ひと口メモ

訪問教育

福島県養護教育課

一 訪間教育とは

心身の障害の状態が重態であったり、重複していたりして、盲学校や聾学校または養護学校に通学して教育を受けることが困難な児童生徒に対し、養護学校等の教師が家庭や児童福祉施設・医療機関等を訪問して行う教育を「訪問教育」と呼んでいます。

 

二 訪問教育の成立

訪問教育は、昭和四十年代前半から始められていましたが、昭和五十四年度からの養護学校の義務制に伴って制度化されました。

これをもって、訪問教育の対象となる児童生徒は、特定の養護学校等に学籍を置き、当該校の教員が訪問教育を担当することになりました。

 

三 訪問教育を行う場

訪問教育は、教育を行う場によって、既述のように、家庭を訪問して行う教育(家庭訪問教育)と、施設や医療機関を訪問して行う教育(施設等訪問)の二つに分けることができます。

家庭訪問教育においては、一人の教師が一人の子どもに対して指導を行っています。このようなことから、担当する教師には、多くの専門的な知識や、技能が要求されます。また、指導の場についても、多くの場合、子どもの居室が充てられるなど、限られた場での指導が行われています。

一方、施設訪問教育は、施設や病院に入所入院している子どもたちを対象としていますので、対象の子どもの人数とそれに伴う教員数、指導の場、施設等における職員との連携など、家庭訪問教育とは異なった形態になります。

 

四 訪問教育の現状

本県の平成五年度の訪問教育の対象児童生徒は九十四人で、義務教育段階の盲・聾・養護学校の在籍者数の約八パーセントに相当します。その実施に当たっては、県内の九校の養護学校から家庭や施設等に教員が派遣され、様々な内容・方法により指導の取り組みがなされています。

 

五 訪問教育の指導内容・方法

指導内容は、子どもの実態に合わせた取り組みがなされます。その具体的な内容は、養護・訓練を主とするものから、各教科の指導を行うものまで様々です。

実際の指導場面では、対象児の障害の状態や教育環境等の諸条件に応じて、指導方法を工夫したり、個人指導や集団指導(スクリーング)を適宜組み合わせるなどして、多様な取り組みがなされています。

 

表-1 訪問教育対象児童生徒数の推移

 

年度
項目
S62S63H元H2H3H4H5
対象児童生徒数1141031091121049294

 

表-2 平成5年度訪問教育現況

 

訪問教育実施校児童生徒数
県立笹生養護学校33名
県立郡山養護学校13名
県立須賀川養護学校4名
県立須賀川養護郡山分校15名
県立西郷養護学校1名
県立石川養護学校3名
県立会津養護学校6名
県立平養護学校12名
県立富岡養護学校7名
合計94名

 

 

 


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