教育福島0176号(1994年(H06)01月)-007page

新年のあいさつ

　

明るく個性豊かな人間の

　

育成を目指して

　

県教育委員会教育長

　

新妻威男

　

　

明けましておめでとうございます。今年は国際家族年に当たりますが、皆様にはご家族そろって、爽やかな初春をお迎えのこととお喜び申し上げます。

近年の我が国は、国際化、情報化、高齢化・少子化など社会のさまざまな局面において、広範かつ急速な変化を経験しております。こうした中で、我が国が二十一世紀に向けて創造性と活力ある社会を築いていくためには、社会の変化に的確に対応する教育の実現が強く求められております。教育は生涯を通じ、人間のあらゆる領域における成長を促し、様々な可能性を引き出す意義深い営為でありますが、とりわけ今日においては、個性の重視、生涯学習体系への移行等が重要な課題となっております。私は、年の初めに当たり、特に、次のことについて配慮しつつ。教育行政の積極的な推進に努めてまいるべく、決意を新たにするものであります。

一つには、ふれあいと生きがいに満ちた生涯学習の振興であります。豊かで活力ある社会を築いていくためには、生涯のいつでも、どこでも自由に学ぶことができる教育体系の構築が求められております。こうした観点から、学習機会や学習成果の発表の場の拡充、生涯学習情報提供システムの整備、県立図書館業務の電算化の推進など、生涯学習の支援に努めるとともに、社会教育等の充実を図ってまいります。

二つには、二十一世紀を担う心豊かでたくましい児童生徒の育成であります。児童生徒が社会の変化に主体的に対応できるよう、必要な資質・能力の育成に努めるとともに、小・'中学校教育ネットワークプラン事業や学力向上ステップアッププラン事業の推進等、学力向上に努めてまいります。また社会の変化等に対応した魅力ある多様な高校・学科づくりを図ってまいります。さらに、学校適応サポートプラン事業により登校拒否児童生徒の学校復帰支援を図るとともに、一仮称一県中地区養護学校の開設など、養護教育の充実に努めてまいります。

三つには、潤いと個性に満ちた文化の振興であります。先人の貴重な遺産である文化財の保存・伝承や天然記念物の保護対策など、県内の貴重な文化財の保存・活用を図るとともに、新しい文化の創造と発展を目指し、県民の文化活動を支援・促進してまいります。

四つには、県民の活力をはぐくむ体育・スポーツの振興であります。「ふくしま国体」での総合優勝に向けて、競技力の向上に努めることは申すまでもありませんが、県民スポーツ・レクリェーション祭の開催など、県民の誰もが生涯にわたりスポーツに親しむことができるよう努めてまいります。

近年ますます大きくなる県民の教育に対する期待に応えるためには、各人が従来の考えにとらわれることなく、自由で大胆な発想をもってその職務の遂行に当たることが何にもまして重要なことと考えてますので、この点を十分に心に留めていただきたいと希望する次第であります。

年頭に当たり、所信の一端を述べ、ご理解とご協力をお願い申し上げますとともに、皆様方のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げ、ごあいさっといたします。