教育福島0176号(1994年(H06)01月)-031page

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継続的に関心を持たせるという点では十分でない面があった。

そこで特別活動の目標と環境教育の目標の互いに重なり合うところで、クラブ活動をもう一度見直してみた。

その結果、身近な環境にかかわる諸問題を子供たちの自主的な研究や調査活動を通して追究していくことが十分可能であると考えた。

また、そのクラブ活動の内容は、その地域の特性を生かせるものになり、子供たちが自分たちの住んでいる地域の環境の変化を通して、体験的に環境問題をとらえていく機会になるものと考えたのである。

2 研究の視点

ここでは、本研究と実践において、主題具現の手がかりとした視点について述べる。

 

(1)身近な環境問題を掘り起こし、直接体験ができる教材を開発すること

 

小学校の発達段階を考えた場合VTRや本などの間接情報によって環境問題を考えさせるだけではなく、自らの体験によって直接的に情報を得て、考えることが重要である。また、思考力や知識の量などを考慮して、いたずらに、高度な内容のものをさけ、子供たちの親しみが持てるような身近なものから教材を開発することが必要ではないかと考えた。

 

(2) 地域の中に活動の場を設定し、環境への働きかけを日常的なものにすること

 

視点の(1)と関連するが、地域は子供たちの日常生活の基盤であり、具体的な体験をしている場である。

この身近な地域の中で、環境の変化に出会ってこそ、子どもたちは、環境問題を本当に切実なものととらえ、実際日常的に活動をしていけるものである。

本研究では、学校の近くを流れる逢瀬川や学区内の住宅地や空き地・道端を主な活動場所として選定し、クラブ活動をきっかけとして、子供たちの環境に対する働きかけの日常化を促したいと考えた。

 

(3)「みんなの科学」や掲示物によって地域の環境変化やクラブ活動を紹介すること

 

子供たちが、自分たちの地域の環境の変化に目を向けるためには、子供たちの自主性を大切にしながらも、周囲から何等かの働きかけが必要である。本研究では、「みんなの科学」と題して通信を発行し一資料1参照一富田町の環境にかかわる問題について、子供たちの関心を呼びおこしたり調査活動をする際の簡単な手引き書になるよう考えてきた。

また、廊下に掲示したり、本校の職員や学級の子供たちに配布するなどして全校の子供たちにも、科学クラブの活動を紹介し関心を高め、理解を得るよう活用している。

 

四、研究の計画

1 研究の手法 (省略)

2 研究の対象 (省略)

3 研究の計画と経過 (省略)

五、研究の実際

1 これまでの科学クラブの歩み

本校の科学クラブは、平成三年六月より、郡山市公害対策センターに協力して「水生生物による水質調査」を行ってきた。また、平成四年夏からは、福島県保健環境部の事業である「せせらぎスクール」に指定され、九月にも調査を行うようになった。

また、同じく平成四年度秋からは、「酸性雨調査」を始め、今年平成五年の春から「たんぽぽマップづくり」や「石鹸づくり」など活動の幅を広げつつある。

2 「逢瀬川の健康診断をしよう」 (水生生物による水質調査)

1) 実践の意図

逢瀬川は、本校の学区のほぼ南端を流れる一級河”である。昔は子供たちが魚釣りや水遊びに興じた清流でもあった。しかし、現在は宅地造成に伴って、家庭の雑排水による水

 

資料1

 

 

 

 

 


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