教育福島0176号(1994年(H06)01月)-032page
質汚濁が進行し、本校の学区内では、以前の逢瀬川のような姿を見ることがむずかしい状態である。この実践では、特に「学区内を流れる逢瀬川の水生生物を調べることにより、川の汚れ具合を知り、身近な川の水質についての関心を高める」ことを主眼に置いた。
(2) 教材性について
水生生物による水質調査法は、河川にすむ指標生物の種類によって水質を1)「きれいな水」2)「少し汚れた水」3)「きたない水」4)「大変きたない水」の四段階にわけるものである。水質調査方法には、BODやCODなど物理化学的な検査方法もあるが、高度な知識や技能が要求されるので小学生には適当ではないだろう。その点、水生生物は、カワゲラトビゲラ・カゲロウなどの水生昆虫が検索の対象となるので小学生にも親しみやすく取り組みやすい水質調査方法だと考えた。
(3) 活動の実際と考察
〈前時までの活動〉
活動に先立ち、富田町を流れる逢瀬川の現状や水質調査方法の概要を子供たちに知らせるために郡山市教育委員会発行の環境教育用VTR「わたしたちのぐらしと水の恵み」を視聴させた。その後「みんなの科学」を資料に昨年までの逢瀬川の水質や調査方法についての補説をした。児童のほとんどが、今年初めて水質調査をするということで期待が大きく、早くその場所を知りたいということで、その後は全員で調査地点の阿久戸橋の近くまで下見に出かけた。
〈本時の活動〉
まず、郡山公害対策センターの所員の方からテキストに基づきながら水質調査の方法について説明いただいて活動に入った。
この時点で「なんか、くさいね」と川の水の臭うことに気付いている児童もおり、川の水のよごれを肌で感じていた。
実際活動に入ると、普段川の水に触れて遊ぶことが少ないせいか「冷たくて気持ちがいい」などと言いながら水の感触を楽しんでいる児童も見られた。
児童たちが、一番興味を持ったのは、いろいろな虫の種類を調べることである。最初は、主にヒルやサホコカゲロウなどのきたない水の指標生物しか見つからなかったが、次第にきれいな水に住む指標生物を探したいという欲求が高まり、あちらこちらの大きな石の下を探し回り、とうとう「いたいた、おおきなヘビトンボだ。」という歓声があがった。
児童たちは、始めて見るヘビトンボに興味津々の様子だった。
水質調査の結果は、水質階級15wということで、きれいな水の指標生物と大変汚い水の指標生物が共存している結果となった。しかし、優先種を見るとユスリカとイトミミズが多く、昨年より、水質は若干悪化したともみられる。これは、調査の時期(五月二十八日)が昨年(六月三日)より早く、近くの水田で田植えなどが終わったばかりで、その泥水が逢瀬川に流れ込んでいた影響もあったようである。
この活動は、事後の感想も加えて児童たちがまとめた「水質調査新聞」にも明らかなように、(資料1参照)逢瀬川のよごれの現状に強い関心を