教育福島0176号(1994年(H06)01月)-034page

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教育センターから

 

児童生徒の創造性を高めるための教材開発(第1年次)

 

−−体験的な活動を重視して−−

 

科学技術教育部

 

科学技術教育部では、平成四年度から二年計画で「児童生徒の創造性を高めるための教材開発」の研究に取り組んできました。その第一年次の研究の概要を紹介します。

 

一 研究のねらい

この研究は、新学習指導要領の小学校理科と中学校技術・家庭科における新出、移行及び取り扱いが変更された指導内容について児童生徒一人一人の創造性を高めるため、体験的な活動を重視する教材を開発し、その普及を図ることをねらいとしたものです。

 

二 研究構想

創造性を「社会の急激な変化に対応できる自己の形成を目指し、自ら新しい価値を生み出す能力」ととらえ、体験的活動を通して○関心・意欲 ○感性 ○思考力 ○技能○態度 などを育成することによって創造性が高められると考えました。

体験的な活動とは、児童生徒一人一人が自らの五感を使って対象に直接はたらきかけ、自ら考察し、判断し、表現することによって問題解決を図るなどの活動ととらえ、○観察○実験 ○実習 ○製作 ○調査 などを取りあげました。さらに、直接体験が困難な場合には、○モデル等による観察・実験 ○シュミレーション ○ロールプレイング なども含めました。

第一年次は学校の実態や要望等を調査し、体験的な活動を重視した教材を開発しました。第二年次は教材開発の継続とともに、授業実践を通して開発した教材の有効性や問題点を把握し、改善を図ることとしました。

 

三 開発した教材

〈小学校理科〉

○フタホシコオロギの飼育とその活用

○ポーチュラカ類の開花運動の観察

○インジゴカーミンを用いた酸素の検出法

○上皿てんびんづくり

○豆電球を用いた電流による発熱量の測定

○月・太陽用簡易ビデオ撮影システム

○福島県内の火山岩及び火山灰層の分布とその教材化

〈中学校技術・家庭科〉

○パソコンを活用した家庭生活自己診断

○小物の製作(コースターづくり、椅子ポケットづくり、小物入れづくりなど)

次に、その一部について説明します。詳しくは当センターの平成四年度研究紀要をご覧ください。

(1) フタホシコオロギの飼育とその活用

この教材は第三学年「チョウをそだてよう」の飼育教材です。県内に分布するバッタやコオロギなどは一世代が長く、卵5成虫の観察に一年を要するので、短い期間ですべてのステージを観察することはできません。

しかし、フタホシコオロギは一世代が約二ヵ月と短いため、産卵やふ化、脱皮などのよ

 

 

 


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